イヨンエの脅威の演技力に脱帽！
ポップな音楽と、1話の最初と最後に漫画のカットを持ってくることで、ゲーム感覚の軽さを演出しているものの、犯罪被害者はザクザク増えていく。サイコパスのシリアルキラーものかと思えば少し違う。犯人は、悪い奴らしか殺さないという自分なりのルールを持つ、危うい女だった…
このドラマ、全編通してものすごい引きが強くて、犯人は最初から分かっているのに、次回は週末に見ようということが出来ない、アクション、謎解き、駆け引きに満ち溢れたユニークなドラマだった。
なんと言っても主演のイヨンエが、美貌を捨てて、風呂に入らずハエがたかる臭い女を好演していて、存在感が半端なかった。夫を失くす前と後ではまるで別人、保険の調査員とはいえ、日頃はゲーマーとして一日中、死ね死ねと言いながら敵をぶっ叩き、オンライン仲間と強い絆を築いている。そのキャラクター設定のユニークさに惹かれたのか、他にはない作風に惹かれたのか、イメージを覆す下品そのものの態度（意地汚く酒やスナック菓子にがっついたり、雄叫びをあげたり）にイヨンエは見事にハマっていた。
ストーリー構成は結構複雑で、最初は誰の過去が時々混じっているのかが分かりにくく、過去の殺人件数も多いので、フラッシュバックや、伏線拾いについていけなくなりなりかけた後半、頭脳戦の追いかけっこが楽しくなり、ある意味純粋なサイコのヒロインにも同情を覚えつつラストを迎えて、ただ一つ解明されなかった謎がとても気になる。イヨンエを徹底的に守ったゲーマー仲間のサンタ、とは何者だったのか？何故喋れないふりをしていたのか？しかしそこは内緒だよ、と言われているような気もする。自分で考えてよと。モヤモヤしつつも見終わった後でのサンタへの評価は揺らがないのだから、私にとってもどうでもいい謎なのかも…
