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涙の女王のsoopenのレビュー・感想・評価

涙の女王(2024年製作のドラマ)
4.9
面白かった!
もう手放しで拍手喝采!
夫婦、家族の再生を軸に、カップル誕生、ラブの花満開。でもそこには恋にも親の愛情にも失敗した人間達もいて…生きていくには何が大切か?優しく私達に永遠不変なものを教えてくれるような、そんなドラマでした。
失敗してもやり直せばいい、でも人生はそんなに長くはない。言葉は刃のように相手の心を切り裂く。本心でない言葉ですれ違っている場合じゃないんだよ!
お互いどれだけ大切に想いあっているのか、今こそ伝え合おう!

百貨店社長の財閥令嬢のヘインと、田舎出身の留学経験こそないが全てを兼ね備えた男、ヒョヌが一目惚れで結婚して3年。ツンデレの極みのような性格のヘインの氷河期に耐えられなくなったヒョヌは離婚を考え始める。財閥家での生活は針の筵、そんな中で発覚するヘインの病に状況は動き始める…

もうこのドラマは、韓国エンタメ総力戦!昔ながらのアイテム、記憶喪失、交通事故、幼馴染、運命の赤い糸、復讐、殺人…こんなにベタな要素を盛り込みながらも、これ程惹きつけられるのは、今時の家族関係がちゃんとアップデートされているから。財閥家だからといって、誰もが聞き分けのない人間ばかりでもない。我儘な母親がいれば、きちんと頭を下げられる常識人の父親もいる。特にこのドラマで人間的に光っていたのが、ヒョヌの両親。実家に寄りつかない嫁にも優しく接し、誰もがピンチな時には、大量のご飯を作ってもてなす働き者の母。寛容な心で誰でも受け入れる、この両親の深い愛情の元で育ったから、ヒョヌも愛情豊かで、真っ直ぐな青年に育ったのねぇ…

ロマンスはどんどん切なくなるし、最初のギスギスした人間関係は長い時間をかけて、修復されていく。毎回1時間半のドラマで、最終回は1時間48分というクラクラする長さにも、中弛みを感じず、寧ろ引きが強過ぎて、夜を徹して見てしまう力ある作品。脚本家が『愛の不時着』のパクジウンさん、というのも納得。豪華なキャストにカメオ。最終回もおまけどころか、どうなるの?キムサブ来て〜〜〜‼︎と叫びたくなる展開にも。そして余韻の残るラストに涙。

果たして”涙の女王”とは誰のことだったのか?私はヒロインよりもヒロインらしい、可愛くて、いじらしくて、切なくて、もうこれ以上彼を泣かせないで!と思わせてくれたヒョヌ=キムスヒョンに一票!笑
そしてヒョヌの親友で弁護士のヤンギには、お疲れ様でしたと言いたい。離婚専門弁護士だったのに、専門外の活躍がカッコ良かった。ヘインの弟スチョルとその妻ダヘ、この2人も関係も、見所満載だったし、ヘインの叔母と龍頭里の謎のイケメンの微笑ましい関係もユニークでした。

でもなんといっても、圧巻のヒール振りを見せてくれた、イミスクと期待を裏切らないパクソンフン。伏線の回収にも大いに貢献。この2人がいてこそ輝くキムスヒョンとキムジウォン。
とにかく抜群の”チーム・涙の女王”は『愛の不時着』視聴率を軽く超えたようで、年末の演技大賞も賑わいそうです。
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