椎名桔平×原田知世 日本のブラックマネーを操る男
「こんなに柔らかい手を持つものが、日本の核を担うようになるのか」
苦労してのし上がった椎名桔平とは対照的に、親が大臣の二代目と握手した時の心の中のセリフ。悔しさとやるせなさと、一種のあきらめを含んだ椎名桔平の演技はさすが。
主人公である椎名桔平は、九州の炭鉱団地で育つ。父が炭鉱爆発事故で亡くなった後、母親はスナックで働くが、幼い妹までも水商売に巻き込み、太客に体まで差し出させる。
そんな生活が嫌で、妹を助けたくて、“稼げる”証券マンになるが…
昔の椎名桔平役に三浦貴大、妹役に入山杏奈、想いを寄せる大切な女性役に原田知世、金融の世界を教えてくれる上司役に奥田瑛二など、豪華俳優陣が集結した骨太社会派ドラマ。男性向けの印象ですが、心情が丁寧に描かれているし、何より原田知世に見せる表情は愛にあふれていて、胸がときめく一作でした。