津田塾大学の前身・女子英学塾を創設し、日本女性に高等教育への道を切り開いた偉人・津田梅子の伝記ドラマ。
が、広瀬すず演じる梅子はどうも知的さに欠け、日本は遅れています!と怒るばかりの感情的な女性に見えてしまい、違和感が拭えなかった。本物の津田梅子は、決してこんな感じてはなかったと思う。それとも、自己主張する女性を感情的と思い、内田有紀演じる静かに娘を見守る母の方を美しいと思ってしまうあたり、日本は今も、というか私自身が、古い女性像や価値観に囚われているんだろうか…。
残念だったのが、梅子がさらに学問を受けることの必要性を感じ、再留学して素晴らしい成果を上げ、帰国して女子英学塾を作るまでの年月が一瞬で片付けられていること。もちろん、伝記ドラマであっても人生を全て追うのではなく、青春時代にフォーカスした描き方も有りだが、この作品は焦点の当て方があまりにもアンバランスで、手を抜いているように見えた。
梅子の人生最後の日のラストシーン、広瀬すずが老けメイクをして演じる方がずっと繋がりがいいのに、それまでナレーションだけだった原田美枝子がいきなり出てくるのも意味不明。
出演俳優は豪華で美男美女揃い。ディーンフジオカが演じる森有礼は、カッコよすぎて美化され過ぎ。