このレビューはネタバレを含みます
今は軍艦島として知られる60年代の長崎・端島と現代の東京をいきつ戻りつしながら、炭鉱町に生きた人々を活写した感動作。
当時の端島を再現した映像、CGとセットのスケールの大きさ・精緻さに圧倒される。
そしてさすがの野木亜紀子脚本。
悲劇の主人公・鉄平と瓜二つの青年・レオの位置付けがちょっと浮いていたり、ミステリーとしては弱いところもあるものの、運命に翻弄されながらも懸命に生きる人々が丁寧に、ドラマチックに描かれていて胸を打つ。
鉄平の後半生がつら過ぎる。
鉄平とレオの一人二役を演じた神木隆之介、健気で芯の通った朝子役がぴったりの杉咲花が、ともに素晴らしい。
宮本信子は明るくて可愛らしさもある老女を好演しているけど、歳を重ねたにしても杉咲花と同じ人物に見えないのがちょっと惜しいかな…。