ななつ

悪の心を読む者たちのななつのレビュー・感想・評価

悪の心を読む者たち(2022年製作のドラマ)
4.0
自分用メモも含めて長々レビューです

韓国初のプロファイラーであるクォン・イルヨン教授が、作家のコ・ナムと組んで、自身の体験を下に執筆した同名小説がドラマ化されたものです。
監督・脚本ともに女性で新人だそうでこれは驚きでした。全12話編成で前半後半に分けての放送だったようです。
韓国で‘信じて見る俳優’と呼ばれるキム・ナムギルは、今作でSBS演技大賞を受賞。
その評価の通り伏し目がちのキム・ナムギルは、本当に見事でした。

実際の事件がモチーフであるとは知ってはいたものの、犯罪もその犯人もちょっと想像を超えてきたので調べましたら、本当でした。

ハン・ジュンウが演じていたのは、11ヶ月間で20人を殺害したユ・ヨンチョルをモデルにした物語。この連続殺人事件はNetflixドキュメンタリー「レインコートキラー:ソウル20人連続殺人事件」や映画「チェイサー」でも取り上げられています。
ユ・ヨンチョルは21人殺害したと自供しましたが一人は別の連続殺人犯の犯行でした。
それがキム・ジュンセが演じていた物語のモデルであるチョン・ナムギュ。
事件についてはこちらのブログがかなり詳しかったので貼っておきます。

https://zozozo.jp/case/memoir-case-14

これを読むと、ドラマの中のセリフや容姿等が事実を忠実に再現していることがよくわかりますね。

ナ・チョルが演じていたのは京畿道南西地域で女性7人を殺害し、前妻と実母を保険目的で殺害したカン・ホスンがモデル。
こちらもマ・ドンソク主演映画「殺人者」で取り上げられています。

ドラマの最後に顔が映らなかった受刑者は、ポン・ジュノ監督作品「殺人の追憶」で取り上げられたもっとも有名な華城連続殺人事件の犯人を想定してたのだろうと思います。

上記3つの事件に、クォン・イルヨン教授がプロファイラーとして関わっていたのだろうことと、こんな大事件が並ぶと、韓国ドラマが何故サイコパス好きなのかがちょっとわかる気がします。
まだまだ新しい認識なんですね。


このドラマはでも音楽が盛り上げすぎよなぁって思います。
静かでリアルな進行に併せて、もう少し落ち着いたものであってほしかったです。
時々流れる音楽が「秘密の森」のメインテーマに似ていたのは嬉しかったです。

それでも満足度の高いドラマでした。
ななつ

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