悪霊302号室

Titans/タイタンズ シーズン2の悪霊302号室のレビュー・感想・評価

Titans/タイタンズ シーズン2(2019年製作のドラマ)
2.8
冗長な時間の使い方もその中に骨子がしっかりしたシナリオがあったり、キャラクター自体の魅力もあって、それらに牽引されて見終えた前シーズンは、否定的な部分があっても好きだと言える内容であった。
その上でタイタンズの宿敵といえば、な大好きなデスストロークが、それも一家でガッツリ登場するとあって期待値モリモリで見始めたシーズン2。冗長、やたら陰鬱でなかなか話が進まない、と前シーズンの悪さをそのままに、引っ張り過ぎな過去が明かされた8話をピークにラスト数話で期待を裏切られ続け、結果として好きとも言えない作品になってしまいました。

これだけメインキャラクターが多いとそれぞれ見せ場やドラマを掘り下げて、捌いていくのも大変なのだろうけど、それにしたって毎度毎度付かず離れず繰り返して割りとどうでもいい上に本編にほとんど絡まない夫婦とか、やたらスケールだけデカくてその癖ほぼ全編に渡って口頭だけで話が進んでいく異星のクーデターとか、もうちょっとどうにかならなかったのか?という脚本演出ともに牽引力がなさ過ぎるエピソードをいちいち引っ張りすぎ。

上記に合わせて本筋に関してもシリーズ構成どうなっとるんかのう、って思っちゃうくらい尺の掛け方がくちゃくちゃ。特に終盤はそれこそ1~2話かけても良いはずのキャラクターの精神の葛藤だとか結末があっさりと済まされたり全くのノータッチで進んでいったり。前半ウィルソン一家、後半カドマス社と、もっと一本化して進めていった方が整理できたんじゃないかしら。ラストのある部分に関してはもう笑っちゃいました。誰もこの脚本に疑問を持たなかったのか、誰もこの演出にツッコミを入れなかったのだろうか、現場でどんどん変わっていってしまった結果なのだろうか…。もっとマシなやり方は幾らでもあっただろうに…。

褒める点としてはデスストロークの描写はヴィランとしても一人の悩めるダメな親としても本当に理想的でした。…良かっただけに、ここまで画竜点睛を欠くって言葉を体現するものは中々ないな、と思いましたが。
ディックの変化や進化も、急拵えに感じる部分はありつつも概ね納得のいくもので、とてもカッコ良かったです。でももっと素直なドラマ運びをしてくれても誰も嫌いにならないと思います。
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