マーチ

この世界の片隅にのマーチのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2018年製作のドラマ)
3.9
*多少ネタバレ含みます。

【省略レビュー】

淡々と戦時中の日常を描いているだけなのに、胸がギュッと苦しくなったり、感情が揺さぶられたりする。それはどんな過酷な状況でもユーモアと愛に溢れた人々の姿があったから。

さすがの手堅い土井演出というか、凡庸な回はありつつも悪い回は無かったし、映画版と比べられることは避けられない中で、自分のスタイルを貫いていたことが素晴らしかった。

役者陣も総じて良かったし、香川京子さんの登場にはビックリ! 尾野真千子さんの演技が特に秀でていて、最終話まで子を失った母の思いを投影して演じ切っていたのが秀逸だったし、娘の幻影を追いかけ続ける遣る瀬無さがとても響いてきた。

ドラマ版オリジナルの現代パートは特に必要性を感じなかったから、最終話の最後のカタルシスのために用意したんだと思う。最後の最後でカープを応援するすずさんを映す必要は無かったと思うけど、広島を応援するという意味でリンクさせていたのは良い演出だった。
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