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天空の旅人のhasisiのネタバレレビュー・内容・結末

天空の旅人(2022年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

【主な登場人物】👨‍👩‍👧
[アイリーン・ヨーク]妻。元英語教師。73才。👩🏻‍🦳
[ケイティ]デニースの幼馴染。金髪。
[ゲイブリエル(ゲイブ)]写真の人。
[ケイレブ]過去に守護者をしていた男性。
[コーネリアス]守護者の上層部。
[ジニーン]隣人の妻。
[シャンドラ]窃盗症のヘルパー。
[ジュード]ヘルパーの青年。🧔🏽
[ステラ・カルデロン]トニの母親。👩🏽
[デニース]孫娘。法学部生。ドレッド。
[トニ]ステラの内気な娘。15才。
[トマス]警察官。
[ニック]守護者。技術者。
[バイロン]髭面の隣人。
[ハンナ]ネトル・ハウスのオーナー。
[フランクリン・ヨーク]夫。元大工職人。👨🏻‍🦲
[ポール]ハンナの部下。ドレッドに髭。
[マイケル]息子。

※アイリーンはリナ、フランクリンはフランクと表記。

【テーマ】🌕 🔭
SF。ファンタジー。アドベンチャー。ロードムービー。
ネットワーク。ポータル。オーパーツ。
老夫婦。生前整理。家庭。納屋と地下室。
人間ドラマ。愛と幸福。独占と共有。
年寄りあるある。子供に先立たれた親。
中西部を舞台にした西部劇風の話し。
カルトと、その家系。出家と還俗。
行方不明の父親捜し。

【概要】🪨
50年以上連れ添っている老夫婦が暮らす自宅の裏庭にある納屋が、どこかの惑星の部屋に繋がっている話し。

アカデミー主演女優賞に6回ノミネート(うち1回受賞)のシシー・スペイセクと、
サム・ライミ監督の『スパイダーマン』のJ・ジョナ・ジェイムソン役(新聞社の髭の人)で有名なJ・K・シモンズが主演している。
2022年にAmazonプライム・ビデオで公開されたサイエンスフィクション・ドラマです。

脚本家のホールデン・ミラーと、ダニエル・C・コノリーの総指揮で製作されている。
30代のホールデンが、なぜか老夫婦を描いた不思議な話しがベースになっている。

5年ほど前にホールデンは、80代の祖父母と頻繁に会う機会があった。祖父母は60年間、ずっと変わらず夫婦をつづけている。
彼らと接するうち、時間の流れや、老いについて考えるようになり。彼らと同じように、多くのことを経験してきた登場人物の物語を描きたい、と思うようになった。

そこに、
ある晩に散歩していると、隣人が家の納屋に忍び込んでいるのが見えて「地下で何か不思議なことが行われているのでは?」と想像した経験が結びついて出来ている。

※好きな場面だけをまとめた最後までのネタバレ記録です。要点のメモや、あらすじ。少しの感想。最後にまとめと、残りの謎についての考察を記載しています。⚠️

架空の町が舞台になっている物語です。

【物語の流れ】🌟
🌌〈1・星へ〉🪟🪑☕🪑🪟🚪
脚本はホールデン・ミラー。

2020年代初頭。米国の中西部。イリノイ州、ファーンズワース。寂れた小さな田舎町だ。
広い庭のある一軒家で老夫婦が暮らしている。
リナは車椅子。フランクは腰が痛い。
夜中に一緒に移動する背中には哀愁がただよっている。
納屋の地下にあるポータルを通って、どこかの惑星の部屋へ。
窓の向こうには火星のような岩と砂だけの地表と、星空が広がっている。

究極の愛を描いた感動ものかと思えば、そうでもない。
リナはコーヒーを飲みながら天体鑑賞に夢中。20年もの間、何者かとの出会いを待ちわびている。
だが、フランクは早く家に戻って野球中継が見たい。普通の夫婦らしく、すれ違っている。
部屋にはポータルへの出入口以外に、もう一つ扉があるのだが、試しに鼠を放つとすぐに死んでしまったので、惑星を探索することはできない。

翌日はフランクが運転して、リナの通院。
途中、芝を駆っている隣人のバイロンに話しかける。
会話は田舎の暮らしそのもの。庭の境界線はまるで国境のよう。
若者は善意で芝を刈ってくれるが、年寄りには余計なお世話。自分の庭は自分で手入れしたい。
笑顔で付き合いながらも、価値観の違いでストレスが溜まっていて、別れれば自然と愚痴が零れる。

普通の夫婦や、隣人とのエピソードを書かれると、共感性がぐっと高まる。
『ロスト・ドーター』の感覚に近い。
その分、ドラマ性は落ちるので痛しかゆしではある。

スーパーのレジでポイントカードが見つからない。運動不足にならないように病院で注意される。徘徊癖。
日常のあるあるネタが満載で、着眼点が『ちびまる子ちゃん』のよう。
若いのに年寄りネタ。孫の愛情が深い。と言うより、老人に一体化している。
台詞の一つひとつが老人そのもの。何故こんなものが書けるのか不思議。
厚みがすごく、ネタしか喋らない登場人物たち。これだけ1話に盛り込んで最後まで持つのか心配になる。
一線で活躍する日本の漫画家ぐらい鍛えられている。
それでいて、時間はゆっくり流れてゆく。相反する要素なのに、ほんの数秒の空白で永遠を感じさせる。

若い頃に、忘れ物をしないように注意の仕方を、年寄りに教えていたけど、注意すること自体を忘れるから「的外れだった」と年を取って分かった。

年寄りの視点で描かれているけど、時々孫の視点からの台詞が出てきて、涙腺が緩む。

リナが遺書を残して秘密の部屋から野外に出ようとした時、部屋の中で倒れている青年と出会った。

静かで愛情に満ちた作品。深い。

🌌〈2・礼拝堂〉⛰️🦙🦙🦙
脚本は、ホールデン・ミラー&ダニエル・C・コノリー。

年寄りは都合が悪くなると呆けた振りをする。

《リナ》👩🏻‍🦳
熱でうなされる青年にフランクが肩を貸し、息子が使っていた部屋に運んでベッドに寝かしつけた。
所持品は軍用のバッグ。中には巌窟王で有名なモンテ・クリスト伯の小説。
日本語訳されたタイトルは「歩き回っていたら納屋を見つけ」
本のしおりとして、赤ちゃんを抱く男を映したポラロイド写真が。余白にはゲイブリエルと記載されている。
他には、小さな石板。それと金貨が6枚。
リナは蜂蜜やレモンを鍋で煮て、煎じ薬をこしらえると、青年に飲ませる。まるで息子が帰って来たかのようだ。

熱が下がった青年は、ジュードと名乗ったが記憶がないらしい。

《ステラ》👩🏽
南アメリカ最南端、アルゼンチン共和国。アンデス山脈の荒涼とした風景がどこまでも広がっている。
ステラ・カルデロンは、大量のラマを放牧して生活していた。
小さな礼拝堂で朝の祈りをささげると、娘のトニを車に乗せて学校へ送る。週末にはラマの毛刈りをしなくてはいけない。
ステラは子煩悩で、いつも娘を気にかけているが、トニは祈りの最中にスマホをいじっていて、まるで興味を示さない。学校の休み時間も1人で絵を描いて過ごすマイペースな子だ。
トニが、いつものように校庭の端で絵を描いていると、興味を持たれたのか、男子生徒に話しかけられた。

家に戻り、母と娘の静かな夕食。
トニが食事の後片づけをしていると、遠くから車のエンジン音が。
昼間の学校で、今夜会う約束を交わしていた男子が、車に乗せてもらって家を訪ねて来た。
「本当に山奥にあるんだな」
彼は、カルデロン家の時代錯誤な生活に興味があるらしく、敷地内を探索して回る。
暗い礼拝堂の椅子に座って向かい合い、親密なムード。顔が近い。トニは彼にキスしてみるが、じっと見つめられて、まるでムードが無い。
「……違った?」
話しを聞けば、彼は肝試しで来たらしく、上手く家に入れたら4000ペソ(1万円)になるらしい。まるでお化け屋敷扱い。カルトのアジトだと思われていたらしい。
礼拝堂にステラが入って来て、男子は追い帰され、トニは部屋に戻されてしまった。

ステラは、2人の姿が見えなくなったのを確認すると、ランタンに火をともし、礼拝堂の隠し扉から地下へと降りた。
地下の奥には石造りの部屋があって、ステラは壁から長方形の引き出しを開けて、中に収納された光るリング状の装置の安全を確認した。

🌌〈3・ヘルパー〉🌃🌉🕳️
脚本は、ホールデン・ミラー。

《フランク》👨🏻‍🦲
フランクがD&H質店で金貨を調べると、スペインのダブロン金貨だと判明。18世紀のもの。

カフェで3人は朝食。
ジュードの食欲が凄い。人生に張り合いを取り戻したリナも感化され、別人のように食う。

・ジュードが風呂に入っていると、洗面所の電球が破裂。
・リナが息子の部屋の箪笥を調べると、中から瓶に入れられたエネルギーコアが。
・フランクとジュードでチェス。戦法が酷く古い。
・リナがエネルギーコアに触れると、衝撃波によってコーヒーテーブルが消失。

ジュードは台詞が少なく、飼い犬のような存在。ジュード役のチャイ・ハンセンは心情を漫画のキャラのようにすべて表情で現してくる。可愛くて憎たらしくて絶妙。

ポラロイド写真の男・ゲイブは、行方不明になったジュードの父だと明かされる。ファーンズワースには父を探しに来たらしい。

納屋に興味津々だった隣人のバイロンが夜中に潜入。ポータルを発見してしまう。

《ステラ》👩🏽
組織の一員である男、コーネリアスが、ステラに会いに来た。
通過の儀式であるペディスコに参加しなくてはならない。
(通過儀礼のことかな?)
「相手は、あの人の息子だ。彼を見つけろ」
山岳地帯での暮らしから抜け出したがっていた娘のトニも乗り気。2人で旅に出ることに。
ポータルのコンソールで行先を指定。
米国、大西洋岸部の東部。ニュージャージー州の都市、ニューアークに到着。
真夜中のパセイーク川をまたぐストリートブリッジの向こうには、煌びやかにライトアップされた摩天楼がそびえていた。

🌌〈4・ボイラーメーカー〉🎱 🎤
脚本は、ダニエル・C・コノリー。

《ジュード》🧔🏽
・ネルギーコアを入れた瓶を森に埋めて隠す。
・シャンドラが挨拶に来て石板を盗まれる。

図書館でゲイブの写真から画像検索。2005年06月の地元紙に掲載。セイヤー公園での放浪者の逮捕履歴だった。ゲイブも記憶喪失を通していたらしい。
(ジュードって待機しているのかな? なぜヨーク夫婦と暮らしているのだろう)

金貨に詳しい人の電話番号を入手。電話すると、相手は金貨を欲しがっている。
「神の御心が行われる」

石板を取り戻すために夜中に出発。
道に迷ってカラオケバーに。孫のデニースと遭遇。ジュードはビールを飲むのもはじめて。
2人は意気投合して仲良しに。
(タイムトラベラーなのかなぁ)
帰り道。警察に職質されて逃亡、逮捕される。
回想で、ここに来る前に、ナイフで人を殺していたことが判明。

フランクは、ビリヤードで隣人のバイロンと意気投合。ポータルに誘うが、起動せず。
(リナがいないと動かないのかな?)

そう言えば、息子のマイケルが亡くなった理由について考えたことがなかった。

《ステラ》👩🏽
組織の技術者、ニックと合流。工場に入って仕事の話し。トラッキングシステム。ステラが渡されていたカードを入れると、電話の通信網から場所を特定。電光掲示板に座標(シリアル番号)が。
インディアナ州の地図に範囲を記載。
「広すぎて捜せない」とステラが苦情。ノイズが入っているのが原因らしい。
携帯の古い中継塔を確認して、範囲を狭めることができるとか。
(レトロフューチャー)

機材を積んだバンを運転して移動開始。警察に職務質問された時のためのカモフラージュもされているらしい……。

老夫婦のあるあるネタどこ行った?
後から登場した2人の主人公が何を探しているのか教えてくれない。前代未聞のもやもや。

🌌〈5・運転の練習〉🪦🪴
脚本は、アリソン・ムーア。

《ジュード》🧔🏽
留置所でリナと面会。
「支配者たちから逃げて来た」
ポータルの秘密を守るため。他にも沢山ある。守っているだけで、誰が作ったのかは知らない。
(ステラの話しだと300年はつづいているらしい)
ポータルはすべて繋がっていて、別の星にも行ける。
ジュードもゲイブもそこから来た。(どこだよw)
追手が来て殺される。逃亡の際に1人殺している。

・老人の介護が必要なので、早めに釈放。
・リナは通院すると、以前より健康状態は良好。
・孫のデニースが、カラオケしているジュードの映像をSNSで拡散。絶望的な状況に。

石板の回収のためにシャンドラの家に侵入。無事に回収できたのだが、停止した発信機も発見。ゲイブのものだと確信。

・石板は鍵の役割を持つらしい。
・リナから運転を教わる。

フランクは、バイロンにせがまれてポータルへ案内。2人が引き出しに気づいて開ける。
(アルゼンチンの施設と比較すると、中央のエネルギーコアが消失している。ジュードが動かせないように、外して隠していたのか)

ジュードと外出から帰って来た妻のリナはすっかり元気。杖も必要なくなっている。フランクはため息をついた。

バイロンが森の中の地面を掘り、エネルギーコアを獲得。

《ステラ》👩🏽
バンで移動中。ニックの話しによれば、いずれネット上の音楽のように全てが繋がる。進歩は地球の外から来る。
携帯の古い基地局に到着。塔から情報収取して、西のイリノイ州へ。
途中、遠回りして、父親が逃亡者を殺した現場に立ち寄り、祈りをささげた。

🤔大体わかった。ステラのいる組織がポータルを秘密裏に守っていて、組織を抜けようとすると消される。それだけだわ。
カルト教団のように俗世から離れて暮らしているので、時々脱会しようとする者が現れるわけか。

脚本について。
いままで秘密にされていた設定が公開された回なのもあって面白かった。
話しが完璧に理解できていて、上手に引継ぎ、テキストまで魅力的。凄腕の助っ人だった。

🌌〈6・フランクリンへ〉🏨🍦🌃
脚本は、アンネ・マリー・ヘス&エズラ・クレイタン・ダニエルズ。

《ジュード》🧔🏽
リナは歩けるようになってフランクとダンス。
(どこかで見たシーンだな、と思ったら『真夜中のミサ』だった)

フランクが、EP.01 のリナの遺書を発見。ジュードに嫉妬して八つ当たり。家に戻らず、バイロンの家のソファーで眠る。

孫のデニースが大学を中退。ゲイブ探しを手伝ってもらう。
窃盗症のシャンドラの話しによれば、発信機の持ち主は、すでに老人ホームで亡くなっている。
その息子である、ビル・ダンラップに会う。発信機のついたネックレスを見せると「父の幸運のお守りだった」と喜ばれる。
ヒッチハイカーから貰った物らしく、話しの内容からゲイブで間違いない。

警察官のトマスが訪ねて来た。ジュードの指紋を調べたらしい。過去に暴力事件を起こして精神鑑定を受けているので、勾留して事情聴収したいとか。
(この人も組織の人間なのかな?)
ジュードは出鱈目だと主張。

過去の記録によれば、2005年6月5日にゲイブが釈放。ミシガン州エンフィールド。車で北東に8時間の場所。
フランクは留守番。孫のデニースが運転、ジュード青年とリナお婆ちゃんを乗せて3人で小旅行へ出発。

《ステラ》👩🏽
夜はモーテルで過ごす。ニックが溜まっていて、トニとの雑談中も自制しながら喋る。
(ここまで触れてこなかったけど、トニがロリータ系の顔に、肉感的な体つきをした美少女なので、目の保養だけでも楽しめます♪)

ドライブインで昼食。ニックが、ケイレブやペディスコの話しをすると、ステラがガチ切れ。彼を置いて、親子2人は車で出発。
ステラは「旅の目的は裏切り者の殺害」とトニに告白した。

一方、隣人バイロンはヨーク家の納屋の地下にあるポータルのソケットにエネルギーコアを戻した。まではいいのだが、蓋を閉めない……。ありったけの電力を流し込んで復活させる、という奇天烈な行動に出る。
衝撃派が周囲一帯に広がり、大量の鳥が死亡。ステラが運転していたバンに積んであったレーダーをショートさせた。
ポータルは復活。(え?)
フランクとバイロンは、EP.01以来のどこかの惑星にある部屋へ。
(永久電池ではなく、充電電池だったのか……)

鳥は死ぬけど、人間は死なない。

[感想]📖🖊️
母ステラは、ジュード青年を消すのが仕事だった模様。
西部劇の賞金首と、賞金稼ぎが最後に出会うような話し。それで中西部が舞台なのか。だから、テキサス育ちのシシーに主演してほしかったのか。やっと意味が分かった。
(……まさか、好みのプロットだったとは)

いやぁ、年寄り2人が主役だと思っていたら見事に騙されたわ。
よくよく考えてみれば、8話の長丁場を2人中心で撮影したら老人虐待になるか。

全然、期待していなかったけど、山場でのJ・K・シモンズの芝居が凄くて押される。大御所2人に囲まれて、若手はめちゃくちゃ緊張しただろうなぁ。

ぼろぼろになるはずの5、6話も面白くて優秀。設定が明かされる回を助っ人に任せる気遣いと、専門的な知識が要求されない書きやすいシナリオの利点が活きている。
こんな満足した状態で終盤に入れるとは思わなかった。
(4話で離脱しなくてよかった)

恋愛ものの定番であるカップルが一旦離れる展開に。車で8時間の距離があるが、ポータルを使えば一瞬で移動できる。
今後の展開に期待が高まるが、上手く書けなかったとしても、この物語をひな型にすれば壮大なSFが書ける。

現場の中心が下の世代に移行したら共感ができなくなる不安があったが、年の離れた兄弟のようなもので、見守る楽しさがあるのだと知った。

🌌〈7・湖でダイビング〉📙🔖
脚本は、ホールデン・ミラー&ダニエル・C・コノリー。

《フランク》👨🏻‍🦲
フランクは宇宙服を作っていたw バイロンが実は技術者で、協力して完成させることにw
(NASAに連絡しろよ)
スキューバーの店で10リットルのタンク6本と、レギュレーターを購入。
タンクには酸素ガスが。レギュレーターは、圧力を調整する装置。(周囲の圧力に合わせないと、呼吸できないため)
イリノイ州に海は無いが、ミシガン湖や洞窟はある……。
宇宙服が完成。
フランクは、妻のリナが心配なので残る。バイロンが単身で、昼間の惑星を探査することに。
バイロンは「うまくいく」と言葉を残し、二重扉を抜けて野外へ。
窓の向こうを歩いているバイロンw 無線で会話。
「家具が落ちてる」と言葉を残したまま、消息が途絶える。
(これは救出活動まったなし)

《ジュード》🧔🏽
ミシガン州エンフィールドに到着。寂れた田舎町。ジュード青年が無免許運転w
父ゲイブが消息を絶ったホテルである[ネトル・ハウス]へ。
森に囲まれていて、日本の軽井沢の別荘のような場所。
うわ。オーナーのハンナ役でソーニャ・ヴァルゲルが登場。『LOST』のペニー役の人。
(やっぱり『LOST』の血を引くドラマだったかぁ)
15年前にゲイブと付き合っていたが、行方不明になったらしい。
一泊することに。
他に客はいないのに物音がする。怖い童話のようになってきた。

ハンナは隠し部屋へ。中にはモニターが並んでいて、部下のポールが監視カメラでジュードたちを観察。固定電話も盗聴している。
ポールは金貨の出所を知りたがって、ヨーグ家の固定電話にかけてきた男だった。
ハンナも、標的が向こうから泊まりに来たので「罠では?」と怯えているw
(くすくす笑える。コメディも書けるのか)

ジュードは、ゲイブが使っていた部屋の本棚を物色。モンテ・クリスト伯の小説の隙間からメモを獲得。
次の日の朝を迎え、一行は自宅に向けて出発。ハンナの部下に追跡される。
自宅に到着。
リナは、孫のデニースにポータルについて打ち明けるが、信じてもらえない。

《ステラ》👩🏽
ヨーグ家が暮らすイリノイ州、ファーンズワースに到着。
娘のトニが町の住人のSNSからジュードが歌っている映像を発見。バー[スプラッツ]を特定。
母ステラが単身で捜索開始。留守番のトニは、技術者のニックに電話で連絡。
ステラは、バーにジュードが置いていった窃盗症のシャンドラの名刺を獲得。
シャンドラの自宅を訪ねると、情報提供料として3000ドル要求される。
ホテルに戻ると、ニックではなく、アルゼンチンを訪ねてきた男・コーネリアスの姿が。
コーネリアスは、湖のほとりに呼び出したシャンドラを締め上げて、ヨーグ家の住所を獲得。「ポスト通りよ」
証拠隠滅のため、コーネリアスはシャンドラの首の骨を折って、車ごと燃やした。
「ずいぶん甘くなったな、ステラ。昔の自分をとりもどせ」

ヨーグ家、守護者、反守護者の三すくみになっている。最終話へ。

🌌〈つぐない〉🚐🚙
脚本は、ホールデン・ミラー&ダニエル・C・コノリー。

フランクは、息子の思い出のブランコを外して、木も切り倒した。
(どうしてそういうことするの)
ジュード青年は、父親探しに出発するため、家を出る意思を伝えた。

ステラ一行は、ヨーグ宅のすぐ側まで到着。
コーネリアスが衝撃波の痕跡を確認。部屋(ポータル)があることが分かった。
車で外出するジュードが見える。
ステラがバンで後を追い、
コーネリアスとトニは住居へ向かうべく、二手に別れた。フランクと接触。コーネリアスが銃で脅して、室内へ案内してもらう。

ジュードが、ヨーグ家の孫・デニースと合流。デニースは、行くところもないのに、町を出る気らしい。(そんな無茶な)
マシンガンで狙撃され、慌てて車の陰に隠れた。デニースを守るため、ジュードは囮になって森の中へ。ステラが追いかけてくる。

孫のデニースが慌てて家にもどると、ソファーに座らされ、手首を拘束された祖父母の前にコーネリアスの姿が。
デニースも真ん中に座らされ、手首を縛られた。
孫娘に銃を向けられ、リナは「裏庭の納屋の地下よ」と部屋の場所を白状した。
コーネリアスは、トニに銃を渡すと、見張っているように指示を出して、裏庭へ。
リナは、得意の話術でトニに語りかけ、良心を揺さぶる。
「ジュードは悪い子じゃないわ」
迷うトニがキッチンの包丁を掴み、拘束を解きに行こうとすると、
「やめておけ」
コーネリアスが戻ってきた。
「正しいことをしてるって聞いた。あれは嘘だったの?」
2人の賊が言い争いをしている隙に、デニースが車の鍵を使い、フランクの手首の拘束を千切ろうと奮闘する。
コーネリアスはステラに電話。
「プラン変更だ。男を連れてこい。一家を犠牲にしたくなければ投降しろと伝えろ」

マシンガンを構えたステラが投降をうながすと、ジュードは手を上げて森から出て来た。
ジュードは車に乗せられ、拘束されながらステラに話しかける。2人は以前に会っているらしく、若い頃のステラは、儀式中にジュードの母親の前に跪いて泣いていたらしい。
「組織に背いたでしょ?」と言い返すステラ。
「……仕方なくだ」
「わたしだって、仕方なく従っている」

ヨーグ宅で合流したジュード青年の顔面を、コーネリアスがリボルバーのグリップで殴った。
子供の頃から気にかけ、期待していたのに裏切ったことを責めている。
「母は承知なのか?」とジュードが訪ねた。
「だれの命令だと思う?」
「嘘だっ!」
立ち上がって抵抗する青年を、コーネリアスは足蹴りした。
「トニ、お前がやるんだ」とコーネリアスは銃を少女に渡そうとする。
「やめて私がやるわ」
母ステラが銃を取り上げた。
そこへ、リナが慌てて語りかける。
「ステラ、彼を撃てば娘さんとの関係は崩壊するわ」
ステラは迷って動けなかった。
「貸せ、俺がやる」とコーネリアスが銃を奪い、引き金に指をかけたその時、拘束を解いたフランクは立ち上がり、コーネリアスに飛びかかった。
フランクは返り討ちにあい、壁にかけてあった絵画に顔面を打ちつけられ、床に崩れた。
拘束を解いたジュードが立ち上がり、コーネリアスに組みつく。青年は投げ飛ばされるが、立ち上がったフランクが、リナの愛用している杖でコーネリアスの背中を殴打。激痛で前かがみなった男の米神に杖のグリップを振り下ろした。
ステラが、コーネリアスの喉にスタンガンを押し当て、失神するまで高電圧を流し続けた。

ステラは、手錠をかけたコーネリアスをバンの後ろに乗せ、娘と一緒にヨーグ宅を後にした。
順調に思えた親子のドライブだったが、横から車をぶつけられて、バンは横転。
ネトル・ハウスを経営している、ハンナが率いた4人の部下に拘束されてしまう。
ハンナがバンのバックドアを開いた。
「あら、コーネリアス、私を覚えている?」
手錠と鎖に繋がれ、血を吐くコーネリアスは笑った。「裏切り者は忘れない」
「貴方とは楽しめそうね……堕ちた世界へようこそ」

リナは、ジュードに手作りの昼食を渡した。青年との最後の時間だった。
「セーターは持った?」
孫のデニースも彼についてゆく気らしい。
裏庭にある納屋の地下室で見送り。
石板はポータルのコンソールだった。ジュードは、父の本に挟んであった座標を入力する。
若いカップルが通路を抜けると、そこは夜のバンコクだった。

フランクは、隣人のバイロンが行方不明になったことをリナに伝えた。
宇宙服を来て、救出のために惑星の外へ出発することに。
岩と砂だけの世界を歩くフランク。部屋の窓の向こうにリナが見える。
「何が見える?」と無線から妻の声が聞こえる。
「君が見えるよ」
エネルギーコアで吹き飛んだ自宅のコーヒーテーブルが落ちている。
なだらかな段差の向こうにまで進むと、男の死体が転がっていた。
仰向けにすると、死体にはナイフが刺さっている。
(ジュードを捕まえようとしていた追っ手でだと思われる) 
酸素タンクの残りが4分の1。予想しいたより減りが速い。
フランクは気を失い、仰向けに倒れてしまった。
――意識が戻ると、潜水ヘルメットは脱がされ、リナが目の前に座っていた。
どうやら、この惑星には空気があり、生身の体で行動できるらしい。
老夫婦が手を取り、崖の端まで歩いて行くと、下界には二本の牙のような壁に守られた小さな町が見えた。


【まとめ】🚶‍♀️👩‍🦯👩‍🦼
ネズミは死ぬけど、人は死なない惑星。

まさかのペディスコは行われず、カエルルにも行けずに終了。
高齢の主演2人が体調崩さずにシーズンを続けられるのか少し心配。
まあ、シーズン1だけでも面白かったから良しとしよう。

EP.05 でのジュードの告白から推測するに、守護者は私利私欲のために情報を隠避しているのではなく、謎の惑星の住人で、地球には探索や出稼ぎで来ている。
自分たちの故郷を地球人の侵略から守るために、ポータルの存在を隠している宇宙人なのだろう。

カルデロン親子のような人間は地球生まれで、謎の惑星に行くには許可が必要。
(移民と二世のような関係だと思われ)
惑星体験と、そこで得られる効果が、ペディスコと、カエルルなのだろう。
(女王への謁見がペディスコで、星の名前がカエルルとか)
地球育ちの守護者への情報が隠蔽されているのは、情報の漏洩を避けるため。

ジュードは謎の惑星の住人だから、ヨーク家から繋がる部屋に倒れていた。
部屋にたどりつく直前で、追っ手を殺害しているから、近くに死体が転がっていた。
ジュードの母親は、最後に見えた町の首長なのだろう。

隣人のバイロンは、宇宙人に捕まったため、帰って来られないのだろう。

ネズミや鳥が死亡することや、荒廃した大地。ジュードの娯楽を知らなさ加減から考えても、質素な暮らしをしているのは間違いなさそう。

エネルギーコアは、人間を飛ばす要領で、コーヒーテーブルを飛ばした。

ダブロン金貨は惑星での通貨で、それがスペインに伝わった、とか。
(あるいは、その逆)
ETC.

全体の完成度が高く、箸休め回が無い。静かなテーマであるにも関わらず、飽きることなく最後まで楽しめた。経験豊富なスタッフのこなれた作りに舌を巻く。

老人のあるあるネタから、惑星探索。
若者への嫉妬から、自己犠牲。ふり幅の広さが印象的なドラマだった。
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