tamashii

I”sのtamashiiのレビュー・感想・評価

I”s(2018年製作のドラマ)
4.3
アマプラ視聴。原作はいちご100%とともに我が青春のバイブル。

一貴以外の原作キャラ再現がかなりレベル高い。寺谷はイケメン化しててちょっとポジションが違う気もするが、たしかにリアル化したらこういうノリだわっていう説得力が凄い。ヒロインも全員ビジュアルが漫画のままだし、演技もかなり上手いし、えっちなシーンの肉感の再現度もかなり高い。他にも越苗とか難しい役なのに説得力がすごい。全体として、こんなにキャストに恵まれたドラマ化って他にないのではというくらい超満足。

問題は一貴。岡山天音は確かに演技力高いと思う(特に告白シーンは最高だった!)。ただ、原作の一貴とはけっこう違うものになってる。髪型がウニ頭じゃないってのは置いといて、多分浅黒系の肌と細目と長髪というビジュアルのせいで、なんとなく原作漫画より暗いキャラになってて、逆走の気持ち悪さが際立ち過ぎている。確かに一貴の逆走はイタいんだけど、あれってコメディとして成立するようなものだったはずで、ドラマ版だとちょっと精神疾患を疑われるような深刻過ぎる感じに見える。受け答えがいつもぎこちないし、幻覚もよく見ているし、寺谷以外にまともな友達いないとか、なんとなく本当に病気のせいでかわいそうな目に遭ってる人物のような感じがしてしまう。それはそれで恋愛ドラマになるのだけど、別に意図してそういう方向で描いているとも思えないので、一貴だけなんとなく浮いている。他キャラの再現度が高いせいで目立ってしまってるというのもあるだろうけど。これは役者のせいというよりキャスティングや演出のせいだと思う。

そのほかにも、演出的に微妙なところがいくつかある。制服が人工的過ぎて、一般高校生の話なんだって感じがしないのはよくない。既成のブレザーの改造くらいでも良かっただろう。あと、一話最初からかかってるメインのBGMがほのぼの過ぎて、Isってそういう作品じゃないだろって思ったり。

じゃあどういう作品かというと、男子高校生の純情と性欲の行き来を描いたラブコメで、実世界であり得る話では全くないにもかかわらず、感情面では非常にリアルで、さらに漫画的演出のせいで何となくリアル高校生活を描いているように錯覚してしまうという作品だと思う。ポイントは読者が一貴の視点から物語を眺めてるってところで、伊織ちゃん大好きだけど、セクシーで魅力的な女の子に言い寄られたらそっちにも行きそうになっちゃうよねって部分が肝だろう。これって全然ほのぼのしてないと思うんだな。

ドラマ化で良かった点は、ヒロインが意外に自然な感じに見えたこと。漫画だと一貴視点で伊織ちゃんが神聖視されてて、様子がちゃんと描かれることが少ないが、ドラマだとあくまで普通の女の子として生きてる人物だなって感じ。だから、伊織ちゃんの嫉妬や不安がめちゃくちゃ理解できる。瀬戸君の周り、可愛くて瀬戸君のこと好きな子多過ぎるんだよ!
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