彦次郎

晩酌の流儀の彦次郎のレビュー・感想・評価

晩酌の流儀(2022年製作のドラマ)
3.7
不動産会社勤務のエース格である美幸の晩酌物語。
いわゆる『孤独のグルメ』と同じく前半に社会人活動が描かれ後半にモノローグで食事という展開です。もはや現代の時代劇といってもいいほどの定番化ですが差別化を図って作られています。
違う点としては30代の仕事のできる女性、会社員、レギュラーの同僚や上司がいる等が挙げられますが最大の特徴は①酒飲みで且つ宅飲み②外食はせずに自宅で料理するの2点。基本的には1人ですが後輩の富川葵と飲んだりキャンプで食事したり1人に拘りがないところも特徴。テーマがあくまでも「最高の一杯」ということで2杯目はグラスも交換するなど徹底しているのが良かったです。
彼女のルールとしては最高に美味な一杯のためのコンディションづくりが大切で会社退勤後にスポーツやサウナで汗を流し喉に渇きを与えるというストイックさ(会社で空気椅子もする)を貫いています。中盤に行きつけのスーパー「ツルマート」店員牛場さんのヒントで晩酌メニューが決まる展開。この牛場さん演じる馬場裕之氏が料理監修を務めておりドラマでも構成としても必要不可欠なものとなっていました。
グルメドラマとしては敢えて外食店を出さないというのが異色ですが逆に美幸の調理風景が料理番組にもなっているのが面白かったです。実践したいところですがあれだけ厨房というか調味料が充実させる前に挫折しそうではあります。
美男美女の部下に駄目上司という人数構成のバランスもとれていて毎回宿題というか物件で悩む客がゲストというのも凝った設定。ジャンルは違いますが漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に似たフォーマット(揶揄ではなく優れているということ)を持っていると思いました。
ただサントリーが協賛ということでやむなしですが酒の種類がどうしても限定されてしまうきらいがあるのが気になりました。
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