もじゃぴ

アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実のもじゃぴのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

モルモン教信者にまつわる事件の話、とのあらすじを読み迷わず鑑賞。
なぜなら、わが家もモルモン教徒であったからだ。
両親が教会で知り合い、私達兄妹は生まれた時から教会に通っていた。
思春期になり、日曜日に教会に通うことを強制されるのが嫌で足が遠のき、とうの昔に信仰心も薄れてしまった。
とは言え、自分で好きこのんで通っていた訳でなく生まれた時からそれが当然である環境で両親の言いつけを守る感覚だったので、信仰を失うという程のことではなかったけども。

実際に起きた事件であることに驚いた。
恐ろしくて、なんておぞましい。
モルモン書や聖書で、その起源を私も幼い頃学んだのだろうけど、覚えてない。
断片的に馴染みのある単語、「ブリガム・ヤング」「知恵の言葉」「十分の一」「パプテスマ」。実際私もパプテスマを受けた。

どんな宗教にも言えると思うけど、信仰の深さが、時に残酷なまでに他人を傷つける理由になってしまうことがある。
敬虔な信者で名家だった兄弟の、歪んでいく過程が怖い。
義理の妹と、血の繋がったわずか1歳の姪を手にかけるなんて、あんなにおぞましいやり方で。
もう気が狂れていたとしか思えないんだけど、犯人が義兄だと明らかになり、彼らの精神がどんどん闇に堕ちる後半、被害者である六男の奥さんが初めて一家に仲間入りし家族揃って和気あいあいと食事する序盤のシーンが断片的にくり返し流れて、もう悲劇でしかなかった。
あんなに幸せにみんな笑ってたのにぃ。
人間て怖い。信仰が人を狂わせるなんて。
ただ犯人である兄弟は、信仰を自分達に都合よくねじ曲げてあるまじき行いに走り破門されてるから、信仰の名の下にっていうのとはまた違うけど。
仕事をサボった罰に息子が可愛がってた愛犬をバットで撲殺するような気狂いな父親の下で育ってしまったのは彼らの不幸ではあるけど、だけど許されない、悪魔の所業だよ。

この事件のこと全然知らなかったけど、信仰度合いに大きな差はあれど同じ教会に通ってた者として、親族に今も信仰の深い者がいる身としては、ショッキングだった。


それにしても、主人公の相棒役の俳優さん、渋くてかっこよかったな。
もじゃぴ

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