いやー、きつかった。頭がよくて、努力もする、目立つのが好きな女の子。意志が強く、最後までやり遂げることもできる。
高校の時の恋愛でどんどん状況が悪くなっていくのだけど、それ以前から兆候はあって、家が経済的に苦しいのに習い事を頼み込んだり、絵の才能はないことを指摘されても認めなかったり。
幼い頃にであったイギリス人女性に、ポーカーフェイスでいることを教えられるのだけど、それがずっと続く。
自分の思う自分を演じる部分は人にはあると思うけど、恐ろしい執着心と頭の良さで、取り返しのつかないところまでいってしまったわけで。
それはユミの個人的な問題によるところが大きいけれど、格差や、「女だから」という言葉が出てくる社会にも原因はある。
手話が、ユミにとっては厳しい実家の状態を示すものだけど、華やかな場ではもてはやされるものになるような、そんな社会の矛盾。
なんと哀しい、という気持ちと、でも、こういう人は自分で止められずに行くとこまで行っちゃうだろな、という気持ちで見てた。
ほんと、きつい。
きついテーマを細部まできっちり描いて、ユミの問題を容赦なく捉えたうえで、女の連帯を描いたのはすごい。
あとはもう、スジの美しさ。オーラを出してる時の演技と、そうでない時のギャップはすごかったし、目の演技が強力だった。あと、ファッションは眼福でした。