さんく

エルピス—希望、あるいは災い—のさんくのレビュー・感想・評価

4.3
ドラマの世界で浅川や岸本らが血反吐をはきながら闘うのと同時に、現在進行形でこのドラマに関わる製作陣も並大抵ではない覚悟で闘っていることが力強く伝わる。
この作品を企画し、具現化し、視聴者へ問いかけたことが素晴らしい。

権力を前に為す術もなく、殺されるか、それとも見て見ぬふりをするのか、日常茶飯事の災いの中に、それでも希望があることをドラマ自体が示してくれた。
村井が番組をぶっ潰そうと暴れたあの瞬間、浅川の瞳が輝いたように、私もこれこそが希望か、と思えた。凄まじい演出。

作品内で、身体と心の調子が一致していたのも良かった。俳優陣の説得力のある演技があってこそのドラマだったと思う。
いま、観れて良かった。このドラマが放送できて良かった。
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