よしながふみ原作漫画『大奥』の2023年ドラマ版。原作未完結期につくられた2010-2012 TBS系列で実写ドラマ化されたものとは別スタッフにより制作されている。
主要役者の演技にはわざとらしい点が時折見受けられるが（特に水野祐之進を演じる中島裕翔）、原作の元の内容が良いことを著しく毀損するほどではない。原作最終巻までの大政奉還まで適切に映像作品化されることを期待している。
▼細かい評価
- 第一話主人公が畳を踏み越えるときに一切縁を踏まない。時代物では当然の所作だが、ここでも当たり前に実践されている。
- 男色関連の表現のアグレッシヴさが実写でも再現されていることは好ましい。
- 総触れ前の慌ただしい様子や、流水紋をあしらう会議から実現までの部分が絢爛で美しい。
- 吉宗の乗馬シーンから加納久通とのやりとりまでの流れ、その他吉宗の出てくるすべての演技が素晴らしい。冨永愛の起用も、それに応えて見せている冨永の演技自体も、素晴らしい。また加納久通を演じる貫地谷しほりは、片岡愛之助に負けない貫禄で臨んでおり最高である。
- 2022年（本作品の一年前）『鎌倉殿の13人』序盤で北条宗時を演じていた片岡愛之助が、本作では藤波を演じている。大奥の幹部ならではのねっとりとした調子の演技が巧みである。
-『鎌倉殿の13人』では比奈役だった堀田真由と、『あまちゃん』以来数多くの作品に参加してきた福士蒼汰がそれぞれ徳川家光と万里小路有功を演じることが予定されている。
▼鑑賞者属性メモ
2023年01月、NHK+にて
▼点数について
完結話放映までは暫定的なものであることをお断りしておく。第1話は3.9点。
（2023-01-11更新）
