原作既読。なので、ラストまで知ってる状態で観ると辛く感じるシーン、辛さが増すシーンが続く。特に医療編なんてそういうシーンしかないと言っても過言ではない。それでも途中で止められるはずもない、だって面白いんだもの、よしながふみの原作がそもそも素晴らしいんだもの。
第一期から通して中盤までは、赤面疱瘡が平穏な日常を脅かす様を大々的に描き、その克服のために文字通り粉骨砕身、東奔西走する人々の壮大なドラマになっている。
平賀源内役の鈴木杏がハマり役だったし、源内の最期にも「予言」にも泣かされた。村雨辰剛も良かった。数年前なら城田優が演じてたのではと思われる青沼役、タイミングにも恵まれたキャスティングだね。
そして終盤からは内憂外患に振り回されて権謀術数を張り巡らす政治ドラマがクローズアップされ、歴史的な出来事も絡むダイナミックな要素が多くなる。
原作でもお万の方にそっくりと評されている胤篤を、福士蒼汰が再登場で演じるの熱い！そして岸井ゆきのの熱演が化け物級にすごかった！不器用ながらも深く上さんを慕う和宮の想いが、小さな全身から最大限に伝わってきた。
ラストの演出にも泣けたわ。第１期も含めた代々の将軍、名シーンにも目頭が熱くなったけど、最後の最後がさらに感動的。閉ざされていた大奥とは全く違う場所で、言わば「この国の未来」と言葉を交わし、自分が託されたものを手渡すように託す。それはさらに先の世を生きている私達が受け取ったメッセージでもあるだろう。
