まぶしいくらいに可愛らしい世界。好きな人の名前を消しゴムに書くとか、自転車二人乗りとか、ずぶ濡れ相合傘とか、あるあるだね〜。愛より恋よりもっと優しい気持ちたち。
大人が自分自身の10代前半を思い出して、懐かしく共感できるパートもたっぷりありつつ、「からかい、からかわれる」という特別な関係が二人だけの世界を創り出してもいる。西片は「高木さん」って呼ぶのに、高木さんは「西片」って呼び捨てにするのも、二人ならではの空気をしっかり伝えてくる。
まあね、そもそも、ごく普通の中2男子が、ちょっと大人びた同級生女子に敵うわけないのよね。西片は中でも特にからかい易い、そしてからかい甲斐のあるタイプなのは間違いないけど。
高木さんの天晴れなからかいに感心して、西片の見事なリアクションに笑ってるうちに、甘酸っぱい二人にすっかり癒される、「尊さ」そのものが尊い時間。
「また帰って来たら、からかわせてね」
「やだよ、その時は今度こそオレがからかう番だから」
「はーい、楽しみにしてるね」
こんなん言われたら、私だって映画、ますます楽しみになっちゃうじゃないのよ！
