欲望が満たされない時
その自分の欲望に満たされている人を見ると羨ましさのあまり
『あのお家の子になりたかった』
何度思ったことか。
その思いを叶えてくれるのが
怪しい露天商の老婆が売る
『金のスプーン』
憧れの家の子と人生を取り替えることができるのだ。
この金スプーンでなりたい家の子の家でご飯を3回食べれば。
そもそも子供は親を自ら選べない。なのでなかなか面白い設定のお話でした。
そのスプーンで親を変え別人として生きていく選択すること
欲望が一番の決定打なのだが
そこまでに至る自身の悲しみや悔しさを考えるとわからなくもない。
新しい人生に変わった時に
成功者だから何でもありだと勘違いした者の末路を筆頭に
自分の大切なものを失ってきたことに後で気がつく。
逆にスプーンを使った者から人生を交換された者は富や成功よりも温かい両親の愛情をもらえた。
もちろん何が正解かわからないのが人生だが。
さあ、あなたは今の人生に満足してますか?
金のスプーンがあったら使いますか?
そんな風に問われているような気がしてきた。
物語の最後がこれまたなかなかのドラマティックな展開に唸った。
よく出来たお話でした。