ハピカリ

涙の女王のハピカリのネタバレレビュー・内容・結末

涙の女王(2024年製作のドラマ)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

愛の不時着越えを掲げて制作された本ドラマ。期待しかなかった。
案の定、寝ても覚めてもこのドラマの伏線とその回収。さらに展開の予想と考察で脳内占領の日々で
15話まで翻弄されまくる

しかし…
これだけ憎しみを抱かせてくれた
モスリとウンソンの結末。
親子の背景がどうホン家の乗っ取り計画になったかなどもう少し突っ込んでほしかった。
そして
伏線散りばめすぎて最後散らかった感も悲しい。
ヘインの手術前にヒョヌが撮ったビデオメッセージをヘインが見るのがエピローグだと信じていたのであっけなく終わった感。
さらに不時着やヴィンチェンツォなど序盤はオマージュが嬉しかったが、話が佳境になるにつれそのオマージュが毒となり涙の女王の品位を貶めてしまった気がしてならない。

と、初見16話のこのやるせなさを踏まえて
16話2回目。
二人の行く末に重きを置いて見ていくと合点が行く展開にますます震える。

例えば
ヒョヌとヘインが大きくすれ違い出したきっかけは流産という悲劇。
妊娠がわかり嬉しさと期待の高なる思いで早々と2人は子供の部屋作りをし天井には星のシールを張り巡らせ満天の星空を演出をした。しかしその部屋が悲しみを深めてしまった。

たださすがの伏線職人の作家パクジウン。あのお星様シールを一つだけ剥がさず残した。
それは
孤独で寂しさを募らせていることを見透かされないようにと虚勢を振るうオンマと
夜な夜な一人ベッドの中で悲しくて泣いているアッパ
その二人を傍から星になった二人のベビーちゃんがずっと見守っていたという意図。
記憶を失ったヘインがヒョヌが自分から離れて行った理由を悟ったのもほんのり輝く星のシールを見つけて記憶のカケラを拾ったから。
ヒョヌの人生の階段をヘインと共に登る幼いスビンの姿にもう一度この二人の子供として生まれ変わってくれたとしか思えない。

また最後の1ピースを無くしてしまい未完成だった家族画のパズル。
その無くしていたものは家族同士の『尊敬と思いやり』であったこと。
1ピースが見つかり見事に絵を完成させた演出も脱帽。

キャラたち一人一人の性格や背景からドラマの展開を予想したり
あれもこれもとキリがないくらい細かく考察を楽しんだ。
韓ドラの素晴らしさ再確認できた作品でした。
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