映画ケーン

寄生獣 -ザ・グレイ-の映画ケーンのレビュー・感想・評価

寄生獣 -ザ・グレイ-(2022年製作のドラマ)
2.2
全然面白くなかった。

何を描きたいのか分からない。主人公の孤独がテーマだとしても6話もかけてやるものじゃない。

オリジナルは大歓迎だけど、せめて面白くあって欲しかった。原作に勝る部分が何一つない。
アクションとしてもホラーとしても面白くない。

原作のアクションは、寄生獣同士はほぼ同格の強さだから、寄生獣vsミギーと新一、という優位性があった。でもミギーが眠ってしまって、新一1人で戦わなければいけなくなる…という展開もあった。
ホラー部分は、お母さんのくだり。

そして、ミギーと新一とのイチャイチャという観客がニヤニヤする部分があったし、無感情で合理的であるが故にミギーが裏切るかもしれない危うさもあった。

まず問題なのは、主人公とハイジが直接会話できない事でイチャイチャも殴り合いもない事。次に、ハイジが寄生獣軍団に仲間入りして主人公が怖がるって展開がない(軍団内に入ったけど加入はしてない)。自分が乗っ取られて死んでしまうかもしれない恐怖もない。
ハイジが最初から最後まで仲間なんだよな。

原作は寄生獣と人間の対話が結構あった。そして、その中で互いに種族間の共生を望んでいた。加えて個人的なテーマとして新一の人間性の喪失があった。
そういうのが一切ない。だから、例のカッコいいモノローグを今作でも使ってるけど(「地球上の誰かがふと思った…」ってやつ)、全然意味を持ってない。

かといって、実写ならではのビジュアルの面白さもない。

ツッコミどころも多い。しかも結構気になる。
なぜあの寄生獣になった刑事が署内に入れるの、身体検査毎回やれよ。
何で警察はさっさと市民に情報を出さないのか。SNSですぐ広まらないのか。
説明台詞だらけ(韓国でもこれなのか)。

良く出来た原作でも、描ききれていないものはある。寄生獣はどこから来て、奴らは何なのか。ミギーが後藤側について、本当の人類と寄生獣の全面戦争になる。
それらを描く訳でもなく。中途半端な話に終わった。
だからラストの”アイツ”も冷めてしまうんだよな。
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