ハル

ギバーテイカーのハルのレビュー・感想・評価

ギバーテイカー(2022年製作のドラマ)
3.5
「人を殺してみたい」
こんな動機で自分の娘が殺され、しかも殺した犯人が同級生だったら親としてどうする?
相手はまだ12歳の子供。
母親であり、加害者と娘の学校の先生でもあった樹の(中谷美紀)感情が壊れた姿…
残酷だ。
その後の人生どうなってしまうんだろうと悲しみに埋め尽くされてしまう。
時間が解決してくれるとも思えず、劇中においても離婚という道を選択するところからのスタート。
その後、樹は刑事になる。

一方で犯人は医療少年院を出て社会復帰。菊池風磨が人を食ったようなサイコパス野郎を演じている。
彼のお芝居には賛否両論あるようだけど、独特のアプローチで人の心理に上手く入り込み、利用していく冷徹なサイコマンとして頑張っていたように思う。
この役は引き受けるだけでもキツイだろうし、やりきっただけでも殊勲賞じゃないかな。
終始ニヤついてる感じでイラッてする佇まいも良かったよ。
現実にも基本相手を小馬鹿にしている性根の腐ったタイプいるけど、あの雰囲気。

ストーリー自体はオーソドックスなトントン拍子。
想定通りのまま最後まで進んでいく形で、欲を言えばもう少しひねりが欲しかったところ。
ただ、ミステリーってわけでもないし及第点かな。
この話数(全5話)で二転三転を期待しちゃうのは贅沢だろうしね。

WOWOWオリジナルドラマならではの緊迫した空気感と重厚な描写の中で繰り広げられるサスペンススリラー。
WOWOWの作品は地上波のものより短く、濃密にまとめているのが特徴であり、今作もその系統。
海外ドラマと比べてしまうと流石に厳しいけれど、そんなには悪くないはず。
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