連続ドラマならではの1話の展開でした。
1話最高!
怖すぎる。。。
ジリジリジリジリジリジリと1時間やったわけですからね。。
さすがに映画ではできない。
あ、タル・ベーラならやりかねないけど!
そして1話が終わった頃にはズンっと話が進んでる。
うまい。
ジリジリ見せるのに物語は十分進んでる。
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テーマはいくつかあるけど
「差別」と
「エンタメに消費するな!」ですかね。
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「ミルウォーキーは差別が強い地域。黒人と白人が住む地域が分かれている」とのこと。
被害者が有色人種だと警察は真剣に捜査しない。
それとは逆に白人のハンサム青年であるダーマーには警察は疑いを持たない。
しかもさらに、彼らはゲイであった。
当時の警察は一層真剣には取り合わなかった。
隣の住民から何度も通報があったのに。
そのせいで17人の連続殺人を止めることができなかった。
差別の問題。
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このドラマ、ダーマーが捕まってからの方が圧倒的に長いし、なんなら刑が執行されてからも割と長い。
描きたいのはこの事件の実態とその影響についてだから。
もちろんダーマーの残虐性について描くことも大事なので、「もう大丈夫です。。。」ってくらいにグロ描写もたっぷりあるけど、、
終盤で、ダーマーによって殺されたゲイで耳の聞こえない黒人青年トニーの物語を一話かけてたっぷり描く。
ダーマーが住んでいた部屋の隣の女性の人生も描く。
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連続殺人犯の怖さだけをエンタメとして消費したりしない。
これは2時間の映画では難しい。
連続ドラマの尺があってできることかと。
それをこのクオリティでやった。
さすが、glee/グリー』、『アメリカン・ホラー・ストーリー』『POSE/ポーズ』のライアン・マーフィー!
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もちろんゲイであることと異常人格者であることを結びつけたりもしない。
実際の通報の音声の中で隣人が「ゲイなことは問題じゃない」と言ってるし、その音声をドラマ内でも使ってる。
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ただ、、割と改変が多いんです。
この後にドキュメンタリーの『殺人鬼との対談: ジェフリー・ダーマ―の場合』を見ると、
ドラマで描かれていた父親像、母親像とだいぶ違う。。。
被害者や通報者のプライバシーなどを貶めそうな事実に関して改変してある部分に関しては、そりゃそうだわなと思うんだけど、、
割とドラマでは父親が色々背負わされてたんだけど、、
実際はそうでもなかったっぽくて。。。
ま、ただ、このドキュメンタリーがどこまでら真実かもわかんないので、、
ま、そこは「事実を元にした物語」を観る時には注意せよってことですね。
難しいところ。