MII

ダーマーのMIIのネタバレレビュー・内容・結末

ダーマー(2022年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

モンスターズ見たあと同じ系統で出てきたので試聴。
全米を震撼させたシリアルキラー、特に遺体を食べるというカンニバル行為が一部マニアを作り出してしまい、崇拝者まで出てくる始末。

時代背景的に、白人至上主義がまだ色濃く残り、そのせいで逮捕歴ゼロの真面目な黒人より小児性的虐待で前科のあるダーマーの方が信用されたのだ。
そのせいで、頭にドリルで穴を開けられた14歳の少年が命からがら裸で逃げ出したのに、警察はダーマーの「恋人同士の痴話喧嘩です」という言葉を信じてダーマーに返してしまう。
もちろんそのあと殺される。
この警察の職務怠慢はひどいもんだけど、
懲戒免職が通告されたあと上訴して勝ち、普通に職場復帰したのだから驚き。
1人の少年を救えなかった、という罪の意識があれば、上訴などできなかったはずだ。

何度も何度も何度も、
彼を止められるタイミングがあった。
現に何度も逮捕されている。
それなのにすぐに釈放されて殺人を繰り返した。
彼が生まれつきの殺人者だっとしても、シリアルキラーになったのは、警察のせいだ。
彼をそのまま捕まえておけば、連続事件にはならなかったのだから。

そしてこれを見てWikipediaや他資料をみてみると、ドラマで脚色または変更されている部分が多いように感じた。
聴力障害のある青年に恋心を抱いたような表現がされていたが、実際にはそうではなかったし、他の被害者が口外しないから助けてくれと懇願して、タクシーまで呼んで家に返してやったこともあった。

彼自身が邪悪というより、狂った嗜好に支配されていたと感じた。

そしてテッド・バンディなどはなるべくしてなったと思うくらい凄惨な虐待を受けて育ったが、ジェフリーダーマーはなぜここまで歪んだのか。
生育歴に虐待…と断定できるものはないし、
母親がダーマーを妊娠中に毎日30錠近い精神薬を服用していたことが問題だったのではないかと思わざるを得ない。
真相は不明。

でも刑務所内で黒人受刑者から制裁を受け殺されたダーマー、やったことは返ってくるのだと辛く思った。
救われないが、こんな人間がいると心に常にと留めて危機意識を持たなくてはと思わせてくれるドラマであった。
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