ルビー婆さん

黒い蝶のルビー婆さんのネタバレレビュー・内容・結末

黒い蝶(2022年製作のドラマ)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

エンドロールが始まって少ししてから、ドラマの一部分があるので、必ず観ること。
何も知らずに観始めた方がいいだろう。
だんだん引き込まれる。

以下はネタバレあり














アルバートは、男の子にいじめられていた好きになった女の子ソランジュを守る。相手の男の子を殴り倒して。
そして、大人になり海辺で、今度は男を殺す。
この時点で、犯罪になるが、この形式はずっと引き継がれる。
殺すために演じる。ソランジュが襲われるパターンを再現して、実際に危険な状態になったら、「こいつはクズなんだ!」と判定して、アルバートはそのクズ男を殺す。
夫婦で行う連続殺人。

…と、そんなふうに話を聞かされる作家アドリアン。
アドリアンは、ソランジュの顔を知らないため、想像でソランジュの顔を作っている。知らない人として。

1話目の途中で、アルバートは父親で、ソランジュが母親なのでは?と確信は持てなかったけど、そう思った。
その上で、最終話まで真相はわからない。

アルバートではなく、ソランジュだった。次々と殺していたのは。

ソランジュの幼少期は悲惨だったので、彼女は襲ってくる男が憎くて仕方なかったのだろう。
その憎しみを、わざと演じて襲わせるようにして、そんなクソな男たちに復讐している。

アルバートは、そんなソランジュに惚れたけれども、惚れた弱みにつけこまれているところがあり、洗脳状態に近いし、依存的だ。
殺人の後は必ずセックスするという形式も儀式みたいになっている。愛で浄化している感じにも思えた。
アルバートは、ソランジュの復讐がこんな形での殺人になっているのを理解し容認していたかもしれない。止められない諦めもある。

それにしても、こんなに事件を起こしておいて捕まらなかったのが不思議だ。
白昼堂々としている殺人もあるし、泊まったホテルなどでも誰か目撃者がいても不思議じゃないのだけど。

それにしても、アドリアンは最悪な立場に立たされてしまった。殺さなくて良い父親アルバートを殺してしまった。

殺人がなければ、アルバートとソランジュはなんて2人は仲が良いんだろうと、羨ましくなるぐらいだ。

エンドロールの途中に出てくるシーンは、ひとつの回想シーンの謎を解き明かす。

2人が始めた事件の数々は後々他の周辺の人たち全てを不幸にさせてしまった。