ゴアあり政治劇ありのハード特撮作品……！本家仮面ライダーではなかなかできない表現や演出がいっぱいでとても面白かった。怪人の生物感はモチーフの生き物まんまであり適度に気持ち悪く、アクションシーンも基本殴る蹴るの泥臭さだが、怪人といえども拳銃や刃物で簡単に殺されてしまう命の軽さでかなり緊張感がある。普通に身体欠損表現があるけどそこまで悪趣味なグロさじゃないから大丈夫！
現代パートの反怪人デモや70年代パートの全共闘は嫌なリアリティがあり、特に学生運動のやってることに対するキラキラ青春具合がマジですごい。嫌だよこんな学生時代〜〜〜！！ルー大柴扮する悪の総理大臣も見事に板に付いててビビる。主演の西島秀俊さんを始めとしてキャストの演技は完璧ともいえる良さがある。
前半はハード特撮ドラマといった趣きがあるが、創世王やキングストーンといった原作由来の要素が入り混じってくると途端に仮面ライダーみが出てくるな。お芝居はシリアスなのに妙なチープさが味わい深い……深いけどビルゲニアとサタンサーベルは（多分原作でもこんな格好だったんだろうな……）と思わせるデザイン。そして終盤に近づくにつれて徐々に「もしかしてこれ、めちゃくちゃ原作をリスペクトしているのでは……」という疑惑が的中する最終回のヤバさ！シン・仮面ライダーの前にこれをやられちゃあヤバいですよ、庵野監督！
お話の着地点の「それでいいの！？」感とか、カニ怪人とかクジラ怪人とかニックお前ヤベーな！とか色々言いたいことはあるけどめちゃくちゃ濃密な10話でした。
