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電光超人グリッドマンのazitarouのレビュー・感想・評価

電光超人グリッドマン(1993年製作のドラマ)
4.0
円谷印の特撮ヒーロー番組……なのだが、主要人物が全員中学生であり、人知れずコンピュータワールドで怪獣と戦うという筋書きは他にない独自性がある。グリッドマン自身もひとりでは実体化も巨大かもできず、子どもたちによるアシストウェポンの支援がなければ怪獣に太刀打ちできないところもまたヒーローとしてはかなり”弱さ”がフィーチャーされているが、一方でウルトラヒーローよりもずっと人に近い親しみが持てるのも事実。そして弱い弱いと言いつつもアクションはアクロバティックな動きが多く、巨大特撮とは違った魅せ方をしていてなかなか興味深い。怪獣のデザインもめちゃくちゃ良い。やっぱシノビラーがカッコいいぜ……。

忘れてならないのが主役3人組と対立し、カーン・デジファーのもとで怪獣を生み出す藤堂武史。ポジションとしては悪役だが、彼自身は孤独でひねくれもので少しコミュ障な部分がある等身大の中学生であり、そんな彼の心がどうやって救われるのか?というのが注目のポイント。当時の世相らしく、結末は荒っぽいもののどんな子どもたちであってもグリッドマンはみんなのヒーローであり続け、改めて「夢のヒーロー」の歌詞の意味を噛みしめる。ウルトラヒーローともロボットアニメとも違う、紛うことなき"グリッドマン"という番組だった。

それはそれとしてハッキングを受けて爆発するコンピュータはともかく、殺人音楽とか塩酸水道水とか買い物デスゲームとか蘇るミイラとか人間掃除機とか安全運転による死刑とかはこのばんぐみでしか見られないと思う。凸凹が過ぎるだろ!
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