原作未読。
戦後GHQ占領下の京都を舞台にしたお料理ドラマ。
初めて見る物語なのになぜか懐かしさを感じた。
たぶん、物心ついてから好きで読んでいた漫画の世界観に近かったのだと思う。あんなに好きで何回も繰り返し読んだのにもう一冊も手元に残していない少女漫画たちに。
心の中に留めておけば良いのに、思ったことをすぐに口から出してしまうヒロイン。
芯の強さというか、曲げない折れない、内側にある根性みたいなのがほんと真っ直ぐではっきりしてて小気味良い。
対して相手役の10歳以上年下の割には落ち着いていてしっかりしている彼。つい頼りたくなるほどに。
ふたりが並ぶと、歳の差は全く感じない。似合いのふたりだった。
各話エンディングテーマと共に固定された視点から捉えられるお料理シーンが見どころ。
料理って、はじめからおわりまで、通しでお料理なんだなって改めて思う。食べてくれる人を思いながら下ごしらえ、切ったりふかしたり裏ごしたり煮たりと、順を追って進められていくそのプロセス。その全てを通してがお料理であって、素材選びから季節を感じる心まで、それらがあってひとつの料理が生まれるんやなって。
そして、何より好きなんは、それを待っている人の姿。それだけ心を込めてもらえる料理が出来上がるのを待つ。受け止める、美味しく頂く。それで完成する。
お互いに他に好きな人がいる、という前提で始まった結婚生活。変化していく気持ちとふたりの関係性には、もう少し時間をかけて描写しても良かったのかもしれない。後半は少し駆け足に感じてしまった。
でも、余韻に浸りながら美味しいコーヒーが飲みたくなる。良い後味のエンディングでした。