住宅街の片隅にある、レストラン「ラプソディア」で、見習い料理人として 三上大翔（みかみ はると ）は働き始めた。 先輩シェフの徳井 聖（とくい ひじり）は仕事はできるが近づき難い雰囲気。 しまいに店長は従業員とトラブルをおこし、三上、徳井を残して 全員店を出ていってしまった。 それもそのはず、三上が働き始めたこの場所は巷では “呪われたレストラン” と呼ばれ、一つの店が続かないことで有名だった。 そして不意に現れた店のオーナー福満 隆佑（ふくみつりゅうすけ）によって レストランは閉店宣告を受ける。 途方にくれる三上に徳井はまかないだけでもと提案し、 店長が残していった伊勢エビをグラタン、エビフライとエビチリに変身させ、 三上とオーナーに振る舞った。 多様なジャンルの料理を作れることに驚く三上と、 更にデザートも欲しいとねだるオーナー。 三上はまかないのお礼にデリバリーサービス“メシデリ”を使ってデザートを注文した。 こんなに優秀なシェフがいるのに閉店してしまうなんて勿体ない… 多様なジャンルの料理が作れるシェフとこのレストランをなんとか続ける方法はないか？ 考える三上の元に、先ほど注文したメシデリの配達員が届けにきた。 「これだ！」 三上の頭に閃いたのは….。

閉店寸前だったレストラン「ラプソディア」は三上の提案により、 デリバリー専門の「聖徳太子のレストラン」としてオープン。 様々なジャンルの料理を注文できるとあって、 なかなか盛況していた。 シェフの徳井は相変わらず黙々と料理を作り、 三上は配達にくる”メシデリ”の宅配員に出来上がった料理を渡し、 オーナーは店の隅でコーヒーを飲みながら2人の様子を眺めていた。 ある日、徳井がまかないで作ったラーメンを気に入った三上とオーナーは配達メニューに加えるよう提案。 しかし、配達中にラーメンが伸びて味のクオリティを保てない、という理由で徳井は却下。 徳井の料理人としてのプライドに関心し、ラーメンを配達メニューに加えることは保留となった。 日々、様々なオーダーに対応し、忙しなく過ごしていると、メシデリ宅配員の一人、 倉持に神妙な面持ちで話しかけられる。 「あのぉ、僕を雇ってもらえませんか？」 彼から発せられた予想外の言葉に驚く三上と複雑な表情をする徳井。 形式的な面接をし、オーナーからも採用の後押し受け、 倉持はシェフ見習いとして働き始める。 徳井の下で一生懸命働く倉持だったが… 散乱する皿、山盛りの青のり、飛び散るケチャップ… 倉持は天性のドジ人間だった。 三上はキッチンの状況を見て、慌てて倉持をキッチンから連れ出す。 落ち込む倉持と話を聞くオーナー、三上は徳井がいつ怒り出すのかヒヤヒヤしていたが、 「待たせたな」 テーブルには4人分の賄い。 徳井の意外な行動に驚きつつ、まかないを食べながら倉持から話を聞くことに。 ところが彼にはある隠れた才能があった…。

レストランの倉庫から年代物の梅酒を見つけたオーナー。 一方、カウンターでは三上が電卓を叩いていた。 「聖徳太子のレストラン」では、様々なジャンルの料理を いい食材を使って本格的な味で提供しているため、 なかなか利益を出せていなかった。 その時、キッチンからシェフ徳井の悲鳴が。 何やら料理を焦がしてしまったようだ。 三上は失敗を何かに生かせないかと聞くが、やはり材料費が高くつきそうとのこと。 今後のために、三上は徳井に大量に仕入れて大量に作れる１品をメニューに加えるよう提案。 料理人のプライドから渋る徳井だったが、目玉メニューを作ろう、とオーナーに後押しされ作戦会議をすることに。 三上、徳井、オーナーとアイデア募集のためメシデリの宅配員である沢田、倉持、林が集められた。 しかし中々いい案が出ないまま、三上が間違えて発注してしまった牛肉が到着。 徳井は仕方無く牛丼のまかないを作ることに。 様々な失敗が目玉メニュー開発のヒントに..？

”メシデリ”内の「聖徳太子のレストラン」の評判は、 様々なジャンルの本格的料理を注文できるとあって上々。 徳井はレビューに興味はなさそうだったが、 時々リクエストに書かれた料理を提供することもあり、 店の人気は徐々に上がっていった。 気がつくと宅配員の待機所にもなりつつ、 当たり前のように店のソファでくつろいでいる宅配員の林から ”下屋敷”の名前を聞く三上。 よくラーメンを頼んでくれるお客の一人だったが、 聞くところによると、彼は食に関する記事を書く有名ブロガーだった。 彼のブログに記事が書かれると店は一気に話題になるらしい。 三上は試しに「聖徳太子のレストラン」の記事が書かれていないか検索をしてみると、 なんと感想が書かれていた。 その内容は意外なもので…何やら波乱が起こりそうな予感。

「ぎゃぁぁぁ！」店内に響き渡る徳井の悲鳴。 今日の「聖徳太子のレストラン」は一味違う。 店の明かりは落とされ、店内には蝋燭と座布団が敷かれている。 三上、徳井、オーナーに加え飯デリ宅配員の沢田、倉持、林の6人は各々が体験した怪談を話していた。 そんな中、林は県道５５号線で起きた配達中の不思議な話をし始める。 届け先は人通りもなさそうな県道の片隅。 不思議に思いながらも注文されたうどんを届けに来ると、 誰にも渡していないのに、受け取りましたという通知が。 気配を感じ後ろを振り返ると、白い服を着た女が立っていた。 林の話に再び悲鳴をあげる徳井、うまくできた話に盛り上がる一同。 次に沢田が経験した怪談話が終わると同時に、 オーダーを締め切っているはずのパソコンから注文の知らせを告げるサインが鳴る。 届け先は何と、県道５５号線だった。

今日も「聖徳太子のレストラン」には三上、オーナーと共に、 ”メシデリ”宅配員の沢田、倉持、林がシェフ徳井が作ったまかないを食べている。 レストランのスタッフと化した3人だったが、沢田の様子が少しおかしい。 事情を聞き出そうとするが、頑なに口を開かない沢田。 タイミング良く、各々にオーダー告げる音が鳴るが、浮かない表情の沢田が気になる一同。 徳井がうまく事情を聞き出すと、沢田は母にメシデリの宅配員ではなく レストランで働いているとずっと嘘をついていたのだが、 母から沢田が働くレストランで食事したいとの申し出があったそうだ。 話を聞いた徳井はこのレストランを使うことを提案。 後日、沢田を店のギャルソンに仕立て上げ、 倉持、林も三上と共に店員に扮して沢田の母親を迎え入れるのだが…。

「聖徳太子のレストラン」では事件が起きていた。 徳井と三上は些細な言い合いからヒートアップ。 しまいにはお互いの仕事の文句を言い出し、ポジションを入れ替えて働く事態に。 ”メシデリ”宅配員の沢田、倉持、林はキッチンに三上、 カウンターに徳井がいるおかしな光景に呆れつつ、 料理が出来上がるのを待っていた。 料理に悪戦苦闘する三上と、慣れないカウンター業務にミスを連発する徳井。 なんとか営業を乗り切った二人だが、キッチンはグチャグチャ、クレームの電話にヘトヘト。 どちらがまかないを作るか言い合っているとオーナーがおもむろにキッチンに入っていき…。

「聖徳太子のレストラン」の定休日。 レストランに眠っているピザ窯の扱いを考える徳井と、 休みの日なのに当たり前のようにいる宅配員の林。 せっかくなので釜を使ってピザを作ることに。 林はカウンターから徳井がピザの調理をする姿を眺め、 徳井と三上の二人をかっこいいと褒めるが、 徳井には気持ち悪がられてしまう。 出来上がったピザを食べながら、林はふと悩みを打ち明ける。 そこへ、宅配員の沢田、倉持がまたしても休みに関わらずやってきた。 釜を眺める男たち。 まだ火が残っているので、新メニュー開発も兼ねてみんなで何か作ってみることに。 釜の火を使ってできた様々な料理に喜ぶ一同と、どこか浮かばない顔の林。 みかねた徳井は林に…。

大きな和室に男が一人。彼の名前は下屋敷。 彼がかけた一本の電話から、デリバリー専門の「聖徳太子のレストラン」には大きな変化が訪れる…。 記者の質問に答える徳井、電話対応に追われる三上。 いつもと様子が違う店内の様子を眺める宅配員の三人とオーナー。 オーダーが入り、仕事をし始める各々。 いつもより慌ただしい雰囲気の店内。 また電話がなり、オーナーが出ることに。 なんと電話の内容は下屋敷の来訪を告げる知らせだった。 レストランに姿を現した下屋敷に驚く徳井。 「兄ちゃん…」徳井から発せられた言葉に驚く一同。 下屋敷はさらに予想外の提案を「聖徳太子のレストラン」に持ちかけてきた…。

デリバリー専門から普通のレストランとして動き出した「聖徳太子のレストラン」。 徳井の下には見習いシェフが、三上にもアルバイトの店員がつき、皆んなで働きだした。 手際の悪い見習い、やる気のないアルバイトに手をやく二人。 気がつくと店にはオーナー、宅配員の姿がなくなっていた。 慌ただしく過ぎる日々の中で、下屋敷からは徳井の料理をさらに多くの人に広めるためにレストランのチェーン展開を勧められる。 ところが下屋敷のために出した料理が残っていたことに違和感を感じた徳井はキッチンに怒りながら向かおうとする。 そんな徳井を三上は必死に引き留め、協力してやっていこうと説得するが、徳井はそのままキッチンへ。 なんとか一日の営業を終え、レストランのオープンから今までを思い出す三上。 そして彼はある決断をし、下屋敷邸に向かうのであった。