mimitakoyaki

カーテンコールのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

カーテンコール(2022年製作のドラマ)
3.6
朝鮮戦争時、激しい空襲に見舞われ、南に逃れようとした際に夫とまだ赤ちゃんだった息子と生き別れになり、会いたくても北と南で離れ離れで、互いの消息もわからぬままだったおばあさんが余命わずかなので、死ぬ前に北朝鮮の孫と合わせようと、売れない俳優を孫に仕立て上げ、おばあさんと最後の思い出を作るという話です。

孫に成りすますジェホンをカンハヌルが演じていますが、北朝鮮の訛りが上手く、「椿の花咲く頃」の方言バリバリの警官ヨンシクと重なるようなキャラで、純朴な田舎の好青年をさせたらよくハマるんですよね。

ホテル経営者のお婆さんやその家族にバレないように、孫のムンソンになりきるのですが、はじめは高額なギャラに釣られ善意でやってたものの、みんなを騙してる罪悪感がどんどん大きくなってきて葛藤する良い人ぶりや、お婆さんやその家族との心の通い合う関係がとても良かったです。

ひと昔前の作風というようなちょっと古くさい感じもありましたが、1話目の朝鮮戦争での過酷さは映画のような見応えもあり、また、ちょっと中弛みを感じながらも、最後は良い着地に持って行って、良い気分で見終わりました。

また、北朝鮮のムンソン役とソウルの青年のジェホンとで、カンハヌルが雰囲気を変えてくるので、どちらも楽しめるのもお得です。
ちょうど先日、韓国バラエティの「1泊2日」のゲストで、本作からカンハヌルとハジウォンがゲストで出てたのですが、ドラマの役柄とはまた違った、カンハヌルの感じの良さとカッコ良さを再認識しました。

ちょっと気になったのが、ソンドンイルがはじめの数話は目?顔がいつもと違ってて、めちゃくちゃ違和感があったんです。
整形したのか体調なのか何なのか、それがすごい気になったのですが、回が進むにつれていつものソンドンイルの顔に戻っていったので安心しました。

このところドラマで見まくる大好きなチェデフンがここでもまた良い味出しててますます好きになるし、孫ムンソンの妻になりすました女の子役のチョンジソは、「パラサイト」で金持ち一家の娘役をしてた子だったし、本物の北朝鮮の孫を演じたのは、「エージェントなお仕事」でめちゃくちゃカッコ良かったノサンヒョンで、この人これからいろんな作品で見れるんだろうなという感じがしました。

偽物の孫の登場で、それぞれの人生にさざ波が立ち、赤の他人ではあっても、誰かを大切に思う気持ちが伝わって、それが人を幸せにするし、それぞれが自分が抱えていた問題から踏み出していくあたたかいヒューマンドラマでした。

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