視聴者の期待を煽るのが非常に上手かった作品。
最初は割と楽しんでいたんですが、毎回自分で上げたハードルの下を潜り抜けてくるので、終盤は冷めた目で見てました。
今までの戦隊には無かった目新しい要素や展開が多くて、魅力的な部分もたくさんあったのは事実。
ただやはりヒーロー番組として欠かしてはならない部分ってあるんだなーと、この作品を見ていると思い知らされます。
一番見ていてしんどかったのは、膨らませた世界観やお話が壮大過ぎて、キャラのハンドリングが疎かになっている部分です。
特に最終盤は深刻で、ヒーローとしての倫理観まで揺らぐような言動･行動が散見される酷い有り様でした。
圧倒的な力を持つラスボスの描き方も下手。
あまりにもなんでもありな強さの設定にしてしまったが故に、上手い落とし所が明示できないまま雰囲気で決着まで持っていくので、理屈が乗ったカタルシスが何も無かったです。
個人的にこういったエモで押し切るタイプの作品が本当に苦手なので、悪い意味で強く印象に残る戦隊でした。
派手なアクションや縦軸に強く振った作風自体は気に入っていただけに、終盤にかけてどんどん粗に溢れていく様が痛々しかったです。
