さんく

今日もあなたに太陽を ~精神科ナースのダイアリー~のさんくのレビュー・感想・評価

4.7
心の病を発症した経緯、治療中の様子、退院後の自分との向き合い方、一筋縄では語れない患者の状態を、いろんなフェーズから丁寧に捉えていた作品。原作者が実際に精神科の看護師だったことに納得。
ヒューマンドラマとしても、医療ドラマとしても本当に素晴らしいドラマだった!

パニック障害ひとつとっても、3人のケースそれぞれの目線からどんな症状なのかを伝えてくれる。俳優の演技はもちろん、足元から水が湧き出てきたり、沼から這い上がれなかったり、「苦しい」ことへの表現の仕方が斬新で感服。一緒になって息が詰まりそうだった。

精神疾患は患者本人だけではなく、親しい人たちや、ケアをする立場である看護師へも、多大な影響を与えることまで描ききっていたことが凄い。医学的、心理学的知見がしっかりと作中に組み込まれている。
ドラゴンを追いかけていった彼。刃の上に立ちながら生きていくサバイバーたち。経験がないと描けない桁違いの解像度で、とても勉強になったし、他人事ではない、誰にでも起こり得ることだと改めて理解。

この難しいテーマの中でも、軽口を叩き合ったり、ふざけ合ったりする同僚たちの和気藹々とした感じが見えたのが良かった。
三角関係もすごく良い!ゴユン先生の、クレバーだけど、だいぶイカれた猪突猛進さ、好きだなー。

オープニングイントロの明るさと不穏さを兼ねた絶妙なバランスの音も作品にぴったり。

観て良かった。未来の私にとっての処方箋にもなりそう。
朝起きるのがちょっと辛い人、でもまだ耐えられると頑張り続けている人、いろんな人に是非観てほしい。
さんく

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