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日曜の夜ぐらいは...のだあのレビュー・感想・評価

日曜の夜ぐらいは...(2023年製作のドラマ)
3.9
タイトルどおり、日曜の夜ぐらいはこういうドラマを観てしっとりと明るい気持ちで週末を締めくくりたかった、と思わせるようなほっこり友情もの。
3人がそれぞれに抱える過去は暗いけれど、それでも3人で一緒になって前を向いて生きていこうという明るさをもらえる作品だった。
ところどころ首を傾げるような展開が引っかかりもしたが、この作品が伝えたかったメッセージはしっかりと感じることができた。
主演を務めた3人とも演技が素晴らしく、それでいて各人の俳優としての個性や魅力もしっかりと活かされた脚本になっていた。
清野菜名は、「キングダム」などでアクションがすごいというイメージがあったが、こういう落ち着いた少し影のある役も本当に上手いと思った。
岸井ゆきのは、「愛がなんだ」のときから唯一無二の魅力をもっていると感じていたが、今作でもそれが存分に活きていて、普段は明るく陽気に振る舞っているものの大事なことはなかなか言えない、憎めないキャラを見事に表現していた。
生見愛瑠は、モデル出身ということもあって(個人的な偏見ごめんなさい!!)そんなに演技について期待していなかったのだが、これが予想以上に上手くて驚いた。今作は彼女の口から生まれる名言がとても多かったのだが、3人の中でいちばん若いとは思えないような俯瞰してウィットに富んだ人生観を、まったく違和感なく形にしていた。
岡山天音や川村壱馬も、ドラマのやさしい世界観を絶妙に見事に引き立てていた。
華やかな衣装とロケーションで彩るエンディングも、毎回少しずつ変わるのでとても楽しみだった。
あえて物申すとすれば、富士子のスタンガンをはじめ、蛇足では?と思うような謎シーンがところどころ気になった。また、サチの父親や若葉の母親、翔子の家族など、背景のよくわからない悪人(ヒール)が多いことも引っかかった。
とはいえ、冒頭にも書いたが、「日曜の夜ぐらいは…」、肝を冷やすようなサスペンスものでもライバルどうしの覇権バトルものでもなく、こういうほっこりしたドラマを見て、穏やかな気持ちで週末を締めくくりたかった。そんな少なくないはずの視聴者の声を形にしたようなドラマだった。
テレ朝がわざわざ日曜のこの時間帯にあえてドラマ枠を作った、その意図が伝わってくるような良作だった。
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