Longsleeper

コール・ザ・ミッドワイフ ~ロンドン助産婦物語 シーズン6のLongsleeperのレビュー・感想・評価

4.3
今シーズンは重いエピソードが多かった……
でも終盤には希望を感じさせる変化もいろいろあったし、バーバラが綺麗で嬉しかったです。ええ。
シリーズ最初の方では、かわいいおばあちゃんだけど厄介な立ち回りも多かったシスター・モニカ・ジョーンが、なくてはならない癒し役になっていて、それが大きな救いになっている。
シンシアとの絆や、レジーとの不思議な交流など見るにつけ、ノンナートゥス・ハウスにこの人がいてくれて良かった、としみじみする。
新たに加わったヴァレリーも頼もしくて、活躍が楽しみ。

今まで自宅分娩がドラマの中心だったけど、だんだん避妊や不妊、切迫流産など、出産の瞬間以外にも光が当てられてきた。
それに加えて、60年代前半の、ままならない現実を捉える描写が多い。
薬害事件や、効率化・大病院への集約化、精神外科など、出産だけじゃなく当時の医療に関わるテーマを掘り下げるような。
サリドマイド、最初に影響を受けた赤ちゃんが生まれてから、回収されるまで数年もの時間があって、それに親が憤る場面があったけど、日本はさらに数年後まで普通に出回ってたんだよね。
医療は直接的には現場の人たちに支えられているけど、同時に大きな枠組みを動かす人たちが広い公共的な視野を持っていないと、本当に人を救うことは難しいんだと思わされる。
じっさい米国では、FDAの官僚が待ったをかけたおかげで、サリドマイドの被害はほとんどなかったわけで。

現在の社会の状況も相まって、医療政策の重要さも実感する場面が多かった。
ドラマとしてのパワーも相変わらず。
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