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デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士のkanaのレビュー・感想・評価

4.3
まずドラマとして大変面白かった。原作も読んでいるが、どこでパズルが合わさるのか、犯人当てとしても後編に期待せざるを得ない作りになっていた。

全編字幕付きという日本語ドラマは自身経験したことがないが、使われている手話も含め集中力が途切れることもなくドラマの世界に一気に引き込まれた。

配役にはろう俳優を含めた難聴者を起用という事前メイキング番組も見たが、主演の草彅剛をはじめ共演陣もベストの演技で、かつ当事者だからこそでる内側からの痛みのようなものも感じられたし、家族の中で唯一の健聴者という宿命を背負った主人公の寄るべなさ、諦観、内包する熱を草彅ならではの佇まいで見事に表現していた。

BGMで煽ることもなく誠実に演者の演技に寄り添った上質なドラマだった。
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