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初恋、ざらりのdarumaのレビュー・感想・評価

初恋、ざらり(2023年製作のドラマ)
4.2
(5話で評価上げました。下に追記しています)

1話。テーマ(軽度知的障害)と小野花梨ちゃんに惹かれて観たけど、うーん…話運びがなんかイマイチ。ドラマ24に合ってる様な合ってない様な…マイノリティーだけど王道すぎるというか。深夜帯によくある感じのアクが無い、癖が無い。昼間すぎる。私はそっち系が好きだから評価低めにつけたけど、逆にそういうのが苦手な方にはとても観やすい作品だと思います。

(制作の)東北新社ってアニメの所…?違うか。
もしかしてドラマ→アニメ案件!?と思ったけど、それは無いか…?原作が漫画だけに物凄くアニメ化が合いそうな作品だと思った。
監督は大豆田とわ子されてた方なのか!凄!!
さすが祖父江P…
脚本はコウノドリの方よね?直近が美しい彼(未見)サワコは好きだけどなぁ…やっぱ原作?でも監督も脚本もリレー式みたいだし(東京の雪男の方が居る!)、テーマはいいのでとりあえず様子見。

(余談だけど「ケーキの切れない非行少年たち」を観ているのでテーマが完全に被ってるんだけど(境界知能)、タイミング的にチョイスは上手いと思った)

相変わらずテレ東は楽曲がお洒落…エンディングいい。
と思ったら!
この方(ヒグチアイさん)、雪女と蟹を食うのエンディングの方か!!
めっちゃ好きだった!!!
今聴いても好き。
祖父江Pも好きなんだな…(嬉)

雰囲気(楽曲の)がちょっと日食なつこさんに似てるかもしれない。もう少し柔らかい感じの。

風間くんが出てるせいか、物凄く月9っぽい。(最近の)
この王道を深夜帯に引き込んだのは、ある意味、挑戦なのかもしれない。
テレビドラマ放送のボーダーレス。
もはやゴールデン/プライム帯とかに意味はないというか。
観たい人が自由に好きな時に観られる時代、そちらのユーザを引き込み、また逆にテレ東のコアファン層にも届くように…という感じかな?

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(以下、各話感想を書けたら追記していきます)

2話、風間くん演じる岡村さんサイド。パパママが尾美としのりさん&熊谷真実さん!若村麻由美さんが出てる時点で事前撮影だけど(鈴木京香さん主演のはずだったドラマの代役されるんですよね?)、尾美さんの「日曜の夜ぐらいは…」からの振り幅!^^熊谷さんは最近どこかでお見掛けしたような…映画「アンダードッグ」か!どちらもいい感じ。天野さん役の方に好感…

相変わらず昼感だけど、1話より少しドラマ24に寄った?深夜帯好きの自分にも割と見やすくなった。そういうものだって理解できたから、慣れかも。風間くんがタバコ吸ってるあたりが入りやすさ。最後はちょっとグッと来た。
とにかく丁寧丁寧な感じ…劇伴(好き!)の優しさがそれを物語ってる。

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3話。ようやく!ピンと来ました…ウインナーのくだりが物凄くよかった。できる事を先回りされると辛い、自分の存在価値が無いって思っちゃう…このエピソードで初めて、これは障害者だけじゃなくてどんな人にも言える事、カップルのパワーバランスの話だなって汎化して受け止められた。

水族館のシーンがよかった…これ借り切って撮影できるのテレ東凄!(夜かもだけど…テレ東働き方改革的にはどうなのかな)、これは演技力が無いと瞬発で撮影できないでしょう!演者さんさすが。施設の宣伝にもなる、そういうのテレ東多い(おひとりさまのとか)夏休みだしめっちゃいいと思う。

ラストちょっと泣いちゃった…まだ本人たちは知らない、周りから伝わりそうで辛い。純粋に、うまく行くといいな…と思ってしまった(いつもはそうなるとあり得ないって思うのに…)
本作が始まる前は、小野花梨ちゃんはプリテンダーズのイメージ?と思ってたんだけど、やっぱ踏まえてる気がする。

続けて4-5話。毎回最後に泣いてしまう…5話は岡村さんのモノローグ回、特にこれに弱い。自分が健常者だから、まさに台詞にもあった傲りというか、感情移入してしまう。
(ここで評価3.6→4.0に上げました)

初回は実は正直、風間くんは合ってないような…?(原作未読だけど)障害系だから起用なのかと思ったけど(NHKで福祉番組持ってるとか?あとsilent)、あの可愛らしい感じが回を追うごとに岡村さんのキャラとして確立されているというか、めちゃめちゃ合ってると思えるようになった。凄い。

そして前も書いたけど、曲が絶妙すぎる…OPのタイトルが「あたしの全部を愛せない」これまさに…!岡村さんにこうならないで欲しいと願わずにいられない。あとクマちゃんのマスコットはそういういきさつだったのか!^^そしてエンディング、冒頭の歌詞が「叶わない恋」…泣ける、泣くしかない。

(このMV凄…!曲が絶妙すぎる上に映像/字幕が渾身の力作。ヒグチアイさんの「恋の色」、YouTubeにあるので是非観てみて!とにかく字幕が凝っています。一粒で二度楽しめる…というか泣ける)

岡村さんが知った時のリアクションがあまりにも響きすぎて、そこがほんとめちゃめちゃよかった…
それが事実、だから。
違う、ということに対するリアクションとしての、事実。
唯一、本人の口から聞けて本当に良かった。

悲しいけど、エンディングの歌詞みたいになるのかな…

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初恋ざらりの事を考えていて、ふと思い出した…少し「月子」に似てるかな?(似ているというより、設定が。知的障害者の恋)「真白の恋」もそうだった…どちらも好き。前者はややハードな所が似てる、後者の方が本作には近いかもしれない。どちらもまた観たくなった。

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6話、エンディングが流れ始め「これ、もしかして岡村さん視点なのか…!?」叶わない恋の色、じゃなくて、敵わない、なのかなと…有紗ちゃんには敵わない、自分がちっぽけに見えて不甲斐なくてもどかしい、みたいな?(めちゃくちゃ鳥肌)そんな風にがらりと視点を変えられるのが凄い。

冒頭、風間くんのお腹がちょっとたるんでる感があって、めちゃくちゃリアリティがあってよかった…(映し方かもだけど(実際は出てないのかもだけど)、そういうの大事!アイドルじゃなくておじさん感、そこ重要。変な言い方かもだけど、中年差し掛かりに見えたほうがストーリーに入り込める)

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7話、きたー!矢島弘一さん脚本回(東京の雪男、やさしい猫ストック中)まず冒頭に驚!ズバズバ切り裂いてくる…と思ったら、めっちゃ可愛い劇伴に合わせての撮影会→アイロンにハラハラ(私岡村さんと同じで凡人)だけど!そこからのエッジが凄まじい…もうもう!流石すぎる!!流石ドラマ24!

個人的に友ちゃん役の方がめっちゃ上手いなぁ…とずっと思っていたんですが、これは演出家さん含め絶対ちゃんと考証してる。変な言い方ですが、あのボリューミーな声(は初めの方から思ってました)、拘り(アイロン、執着しての癇癪)、めちゃめちゃリアリティあったと思います。素晴らしい。

引っかかりそうな所で引っかからないで(アイロンで火傷しない、撮影会で室内は断る。その判断力はある)、結局障壁になっているのが親(別に悪意はない、本人の為だし客観的に見てそれで正しい)、しかも冒頭に結婚というリアルを突きつけての障害のリアル、という展開が凄まじく素晴らしい。

友ちゃんと健常者の違いは何なのか…別に普通の人だって撮影会で騙される人はたくさん居ると思う(偏見すみません)。親に愛されている子だってたくさん居る。何が違うのか、何故岡村さん(ひいては視聴者である自分)は引っかかるのか…物凄く重大な事を突きつけられていると思う。境目とは。

(ここで評価4.2まで上げ)

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9話リアタイ。
ぶっちゃけ、難易度が高すぎる…と思った。「普通」の人でも相当訓練しないとできないと思う…(ドラマだからわざと分かりやすくハードル上げてるんだとは思うけど)
「何がわからないのか、わからない」めっちゃ勉強してるときに思うやつ!(っていうかよく教える人が言うやつ)

うーんうーん…それでいいのか?(バカボンのCMが余計に。。)間違ってる事を教えてあげなくていいのか?なんかモヤる…
やりがいを満たしてあげることとのバランスが難しすぎる…

関係ないけど障害者雇用って補助金とか出てる?この会社そういうの申請してるのかな?(してないか)

想像通りの展開になってしまった…(泣泣)
人員一人カウントで作業を任せるのは難しいと思う…任せる側が、できる事とできない事、ちゃんと判断しないと。でも、そこに人が居たら「一人」としてカウントしてしまうよね。皆忙しいんだから。
これいわゆる新入社員でも同じことが言えそう…

「無理しない 優しい心が 事故防ぐ」って…まさにその「のぼり」通りだよ!!(泣)

今日の「叶わない」は、有紗ちゃんの願いだった…普通には成れない、悲しい。

天野さんの離婚問題と絡めてるのが秀逸。「一緒に居る意味が無い」これ岡村さんと有紗ちゃんに置き換えた時、有紗ちゃんがどう思うのか…それがこの恋の行く末に掛かっているような気がする。

「新入社員でも同じ事が言える」がミソで、別のこのドラマ障害者特化してるんじゃなくて、普通の人でもグラデーションがあり、できる人/できない人が居て(レベル的にも能力的にも、仕事以外でも)各自のキャパに合った状態にすべきなのに、それができてない社会
って事が言いたいんだと思う。
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