いつものように何もない1日が始まり、何もない1日が終わろうとしている。翔太郎はいつものように、なんの意味もない配信をはじめる。通りがかった視聴者から「つまんね、ヤメロ」と、心ない言葉が浴びせられる。その時…俺しか居ない部屋から、聞こえるわけのない声が聞こえてきた…「やっと会えたね。」目の前に立っていたのはキラキラした王子様!?…こうして、王子と俺の奇妙な同居生活が始まった。
謎のキラキラ王子との共同生活が始まった。王子のおかげで動画の視聴者数は右肩上がり!!そんな中、カフェに一人の若い客・竹中が来店する。この町を出ていくという竹中の話を聞いて、王子と共に結婚や将来について考える翔太郎。そんな中、王子を訪ねてさらなる来訪者が!!
執事・権藤の登場でますます盛り上がる翔太郎の生配信。 王子を国へ帰したい執事の願いに対し、翔太郎は執事に協力して王子を国へ帰す作戦を立てることに。果たして二人がとった作戦とは、、?? 一方、翔太郎の元を離れようとしない王子。二人に胸の内を明かす王子に向かって翔太郎の気持ちが爆発する。
執事・権藤の公認を得て改めて生活をはじめた翔太郎と王子。 まるで新しい家族ができたような気持ちになった翔太郎は王子に感謝する。しかし、翔太郎は自分には無いものを全て持っている王子に対して劣等感を感じていた。 そんな翔太郎に王子は勝負を持ちかけ、二人の対決が始まる。 ことごとく王子に勝利していく翔太郎。対決の中で子供の頃を思い出した翔太郎の頭にふと、自分に店を譲ってくれた祖父の言葉がよぎった。
ある日、翔太郎の妹が店を訪れる。 妹は母親が翔太郎とのこと心配していることを告げて帰っていく。 そんな翔太郎の目に入ったのは開けられずにいた母からの手紙だった。王子の提案で母からの手紙開封動画を撮影する翔太郎。 手紙を見た翔太郎に幼き日の家族との思い出が蘇る。
突然、二人の目の前に現れたジュリアと名乗る謎の王女。彼女はどうやら王子の許嫁らしい。 どうしても王子を国へ戻して結婚式を挙げたいジュリアは翔太郎、王子、執事・権藤の前で駄々をこねる。翔太郎にはジュリアを諭す自分の言葉がまるで自分自身に投げかける言葉のように聞こえた。 三人が去った店内で一人物思いにふける翔太郎の前に祖父が現れる。 ハンバーグを食べながら語りかける祖父の言葉が翔太郎の心に突き刺さる。
突然やってきた祖父や、自分の意志を貫こうとする王子に刺激を受けた翔太郎は心機一転、カフェの営業に力を入れ始める。 そんな時、翔太郎の元に母親からの荷物が届く。 多数の来客と重なったこともあり、開封を後回しにしていた翔太郎。王子と共に荷物を開けるとそこにあったのは、一冊の絵本だった。 絵本に描かれていたのは王子。様々な思い出がフラッシュバックする翔太郎。 過去と向き合った翔太郎は、現実を見つめ始める。
現実と向き合い、母からの手紙を読んだことを王子に報告する翔太郎。 「誰かが来た時には当然のように王子はいなかった、、」 王子が来てからの様々なシーンが翔太郎の頭を駆け巡る。そんな時、カフェに二人連のおばちゃんがやってきた。 翔太郎の母親と同じ病気「若年生アルツハイマー」について話をする二人に心を動かされた翔太郎は少し吹っ切れた様子で配信を始める。 配信を終えた翔太郎の元に訪れる王子。ついに、翔太郎は王子に核心をつく質問を投げかける。
王子の正体に気づいた翔太郎は改めて王子と撮影したはずの動画をチェックし始める。 そこに王子はいなかった。王子は本当は存在なんてしていなかった。 失意の中、翔太郎はふらふらと街を歩き始める。 見慣れた街の駅前で翔太郎は一人のストリートミュージシャンの歌に心を打たれる。走馬灯の様に蘇る王子との生活。そして、最後の別れ。 翔太郎の信じられない1週間は信じたまま終わりを告げる。王子たちとの生活は、翔太郎に何をもたらしたのだろうか?
半年前、友人の村上にゆうきを紹介された翔太郎は舞い上がり酔い潰れて寝てしまっていた。そんな翔太郎を優しく介抱しながら眠りにつくゆうき。朝方、目を覚ました二人は添い寝をしながら他愛もない話をする。 ゆうきが帰った後、翔太郎は病状をつげる母からの手紙を読む。「嘘だろ、、、」 そして半年が経ち、王子との生活が終わった翔太郎のもとにゆうきが現れる。 ゆうきとの会話、そして妹からの連絡で、翔太郎は「今、向き合うべき存在」に気づき始める。
ゆうきに向かって親と仲直りを促す翔太郎。しかし、その言葉は半分以上自分自身に向けられたものだった。 翌日、翔太郎は雑談生配信を行う。その中で視聴者に向かって今の気持ちを吐露した翔太郎。 配信を終えると、ゆうきからデートの誘いが届く。デートの最後にバーで語る二人。 翔太郎のアドバイスを受けて親と仲直りをしたゆうきが、今度はやさしい言葉で翔太郎の背中を押す。 「実家に帰ろうかな」 寝る前にスバルにそう語りかける翔太郎の脳裏に浮かんだのは、大好きだった兄、悠太郎との最後の会話だった。
翔太郎は心機一転、店の大掃除を始める。 店が綺麗になったところにやってきたのは祖父であった。祖父と母親の病気について話すうちに、翔太郎は実家に帰る決意をする。 祖父が帰った後、懐かしい声に振り向くと、なんと兄・悠太郎が席に座っていた。 「これは、夢、、?」悠太郎に思いのたけをぶつける翔太郎。 「翔太郎は、俺の自慢の弟なんだから。」 その言葉を聞いた翔太郎は母親に会いにいく決意をする。 生配信をしながら実家へ向かう翔太郎。玄関には懐かしい母の姿があった。
翔太郎が実家に帰ってから半年後、久しぶりに生配信を始める翔太郎。しかし、この生配信はこれまでとは違うものだった。 翔太郎の背後から聞こえる妹の声。まちがって配信画面に映り込む母。ひとりではない、家族と一緒の翔太郎の姿がそこにはあった。翔太郎たちは家族でカフェを営業することにしたのだ。 そしてもう一人。晴れて翔太郎と付き合うことになったゆうきもかぞくの一員として迎え入れられた。 4人揃って生配信をする翔太郎一家。そして、生配信が終わった後、誰もいなくなったスマホの画面に映り込んだのは、兄・悠太郎であった。 そっと悠太郎が配信停止のボタンを押して翔太郎の物語は終わりを迎える。
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