ストーリー展開よし。
辻褄が合わないところもなく、犯人もこいつか!という意外性もあり、犯行理由もサイコパスぽい明白なもので、あやふやに終わるのではなく、最後はスカッとした気分になる良質なサスペンスでした。
また、誰の主観で見るかで感じ方が大きく変わる作品です。
この題材を見た時に真っ先に「ルーム」を思い出しました。自分が被害者という認識がある人の目線からの物語です。視聴者もその目線から物語を見るのが一般的かと思いますが、この作品は被害者のもとに生まれた子供の目線で見ると、途端に感じ方が変わってきます。やるせないです。
見てると当たり前のように感じる、焦燥感や憤慨する気持ちなど子供たちは持ち合わせていません。なんでそんな洗脳されてるの?と疑問に思う部分もありますが、外の世界を知らずに自分が知っている世界が全てならそれは仕方ないことです。
自分が被害に遭っているとの認識がなければ、被害者ではないのです。
途中で色んな人を犯人と匂わせながら、最後の真犯人へと繋がる描写は、大きなどんでん返しなどはないものの、最後まで見たら素直に面白いと感じられる作品でした。
最後の被害女性はせっかく助かったのに、もっと誰かに助けを求めるとか他の方法ないの?と思わせるほど怯え切った姿に途中、見るのが辛くなりましたが、最後に自分の手で犯人を仕留める姿には、心からスカッとする事ができました。
子供達が少しずつ回復の兆しを見せている描写もあり、ハッピーエンドで終わった作品でした。