ひーちゃん

ありふれた家族のひーちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

ありふれた家族(2023年製作のドラマ)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

自分の娘が殺人を犯しながらも裁判で無罪になった物語。

娘が15歳の時に性的暴行(自分から誘ってはいる)受けたあの日から、ありふれた普通の家族の歯車が歪んでいく中で、父親は牧師ということもあってか割と普通で、同情しかないような描写が多かった。
作中の母親(弁護士)は上司と浮気してるし、酒で娘の問題から逃避してる描写が多く、なんだかなあという印象。

物語の序盤で、娘が仮病(偏頭痛)でシフト替わってもらった〜、と話すシーンで、「嘘をついてはいけない」「嘘をつかないように努めている」と父親が言うなんともない一コマもあり、娘を守るために嘘の証言を裁判ですることになる父親の心情も辛いものがあった。

物語の結末は、娘は親友がレイプされたことへの復讐心(と、15歳の時に性的暴行された際に抵抗できなかった自分からの脱却?)で故意に刺殺し、親友も証拠隠滅(ナイフ)と共犯関係にあった。
物的証拠がないことや弁護証人の信憑性による公訴棄却で無罪。
母親だけは事件の詳細を娘の親友から伝えられたので知っていると思うが、父親は知らず。
根本的な娘と両親との心の関係性は解決されてはないので、将来的に不安。

15歳の時もその後も、性的暴行に大きく対抗できなかった自分を悔いていたり、当時、証拠能力の無さと、ことを大事にすることでの二次被害を考慮して娘の被害届を出さなかった両親の対応を理解していたりと賢そうではあるのに、結構男にホイホイついていくのがもどかしかった。
あと、母親の不倫描写は娘にも掛かってないし物語にも特に必要性が感じられなかった。
娘を信頼し愛しきれてない描写が多く、それだけで十分だったように思う。