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不適切にもほどがある!のmanamiのレビュー・感想・評価

不適切にもほどがある!(2024年製作のドラマ)
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チョメチョメとかニャンニャンとか、初っ端から飛ばしまくるクドカン、素敵。「話し合いましょう」ミュージカルでさっそく大笑いして、特に「叱ってほしかった」って歌い出すとこから、さらにギアを入れてきてる感じがたまらなかった。歌って踊るなんてまさかの展開だったし、あれはインパクトあったなー。
第2話ももちろんヤバくて、「上(にいる人物)がペーパーレスを推進しておいて、資料を紙で渡せとか言ってくる」とかのイマドキ会社あるある、クドカンどうしてそんなことまで知ってるのよ?「自分でやったほうが早い、だから一人で抱え込んじゃう」「できることあったら言ってって、お前にできることは、ほぼほぼ私にもできる」とか、他のいろいろあれこれにも共感できる部分ありまくってた。
ってな感じで、1話ずつしっかりレビューしてたら、もう小論文くらいの文字数になっちゃうってほど、毎回思うことありすぎだったな。
プルタブが外れる細い缶コーヒーとか、マッチとかクラリオンガールとか11PMとか、何から何まで昭和の終わり頃のディテールが泣けるほど細かい。あのテーマパークがもしあったら行きたいよ。
一方で、令和サイドにも多様性、働き方改革、セクハラ、マタハラ、既読スルー、ルッキズム、不倫、分類、次々とトラブルが起こる。だけど頼りになる八嶋無双。
完璧なタイミングでいちいち入る「おことわり」も、いかにもクドカンらしいセンスだし。思えばタイトルからして、「このドラマは不適切なこと言いますよ」「ちゃんと不適切って分かってやってます、わざとです、時代背景を考慮しただけですよ」って、ある意味ズルいほどの牽制、バリケードだよな。
キャストも全員、天才的に最高だった。セリフだけポスターだけの登場だった人たちも、ミュージカル元ネタやカラオケでの曲のオリジナルも含めて、みんなにありがとうって言いたい。Creepy Nutsガチ勢としては、「ドラマの中でも遅刻すんのかい」とは思ってしまったよね。
この作品では38年前と現代とが比較されてたけど、社会が変化するスピードはどんどん速くなっているから、10年後、令和生まれの若者にこのドラマを見せたら、「2024年ってこんなに不適切だったの?」って驚かれたり笑われたりするのかもなぁ。
私は連ドラって普段、録画しといて数話分まとめて観ることが多いんだけど、今作は初回から最終回まで、翌日ソッコー観てた。それくらい楽しみにしてた!
生きて、生活して、働いて、「適切」にやり過ごせばやり過ごすほど、それだけで日々積もっていってしまうモノがある。でもそんなことなんか笑い飛ばしてくれる展開に、ひとときでも救われるような、そんなドラマだった。もちろん現実はあんなに上手くいきやしないけど、いいのよ、分かってるよ、だってこれ「不適切」なんだから。
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