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サムダルリへようこそのtakefourのレビュー・感想・評価

サムダルリへようこそ(2023年製作のドラマ)
4.5
シン・ヘソンを追いかけて見たドラマ。
彼女を見られることだけに期待して、それ以外はあまり期待していなかった。

でも、1話2話と進むうちにどんどん物語に引き込まれていった。
涙あり笑いありは韓ドラの王道だけれど、涙の量がハンパなかった。

済州島の美しい景観をバックに、ひたすらヒロインを愛するチョ・ヨンピル=チ・チャンウクに共感し、ガサツを装いながらも内面は心優しく愛に溢れるチョ・サムダル=シン・ヘソンに心を持っていかれた。

ドラマで何度も出てきた「小川から龍が生まれる」って韓国のことわざだそう。
正式には「開川で龍が飛ぶ」というらしいけど。

日本で言う「鳶(トンビ)が鷹を生む」と似た意味合いで、貧しく家柄の低い家系から立派な人物が出ることを意味する。

日本のは家庭から個人だけど、韓国のは血縁共同体から個人だから、いかにも韓国らしいと思ってしまう。

サムダルとヨンピルを中心に、小川に止まっている(帰ってきた)家族・友人たちも多彩でドラマを彩ってくれる。

中でも三姉妹の母親役の、国民のオンマ、キム・ミギョンが圧倒的にすばらしかった。
このドラマの裏ヒロインと言える。

このくだりは、息苦しくなるくらい考えさせられた。

忘れることは難しくても、受容することこそが文明人の証し。
日本人はそう思っている人が多いんじゃないかな。

ヨンピルの父親の恨みの深さを思うと、韓国併合からの恨み辛みを、戦争終結から80年近く経っても訴え続けるのも解る気がすると思ってしまった。
ドラマではアレだったけど。

ドラマ視聴後、韻を踏んだ音が気に入ってしまって「ジンダルサムダルヘダルジンダルサムダルヘダル」と呟くのがクセになってしまった。ラップみたいにw

今まで見た韓ドラでも指折りの作品だった。
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