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THE CURSE/ザ・カースのSGRのレビュー・感想・評価

THE CURSE/ザ・カース(2023年製作のドラマ)
5.0
いやー、とんでもない現代の風刺劇かつ寓話だった!思いもよらぬ展開の最終話は大爆笑。でも実は9話までである意味完結してるとも言える内容で、ブラックコメディとして描くべき事は描き切っていた。ラストの展開は、ソーシャル上での主義主張に都合よく利用される解釈などを煙に巻くためのものなんじゃないかなとも思う。それも含めてまさに現代を象徴する作品。

劇中のエマ・ストーン&ネイサン・フィールダー夫妻はとにかくイタい設定。(2人ともクリエイターとして自らその役をプロデュースしてるのが凄い!)しかし彼らが作った鏡作りの家の様に、視聴者自身もそこに何かしら自分を映してしまう様な意地悪な作り。(と同時に、現代をとりまく様々な出来事を皮肉に映し出している)

まずエマ・ストーンはリベラル(嫌な言い方するとWoke)で悪意はないわけだけど、結局は「自分が世間に見られたい自分像」をプロデュースするためにネイティブアメリカンの人たちや文化を都合よく利用している。「警察を支持しているからレイシスト」と決めつけていた人が実はネイティブアメリカンにルーツがある良い人だったというエピソードも特に印象的だけど、このドラマを観るような人は基本的にリベラルなので、どこかしらに彼女が取る行動に思い当たる節を感じてしまうのでは。

そしてネイサン・フィールダーの方は上手く空気を読めない、妻の前でイキってしまう、器が小さい、コンプレックスの塊という男を彼にしか演じられない素の雰囲気で演じていて、笑ってしまうと同時に居た堪れなくなる。コメディ教室のシーンとか怖すぎ。。

好きなシーンを挙げたらキリがないし、この作品を十分に語れるほど自分には語彙力ぎない。とにかく、どうすればこんな作品思いつくの?という怪作。

個人的に少し感じたのは、ベニー・サフディ演じるダギーの出番は中途半端だったというか、もう少し出番減らして夫婦に焦点を絞っても良かったのではと思った。
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