はじめ、モーテルでの話は、貸別荘を営むおじさんの過去かと思ってみていた。全体像を把握するのに時間がかかり、中盤の6話目でやっと理解が追いついた。
ニュースで事件をみたとき、その場所についてどのくらい考えたことがあっただろうか。直接関わる加害者、被害者間だけの問題ではなく、その周りの目撃者や土地の所有者だって大きな被害を被る。一瞬にして血みどろに染まった場所は誰かの大切な場所だったかもしれない。
殺人事件のエンターテイメント化にも言及したかったのか。理解できないことに興味を持つ聴衆のために作られる殺人犯の自伝や映画化は、どこかの誰かを苦しめているはず。作中では、成績優秀なユン所長でさえも、真面目に仕事に取り組んでる一方で、ただ犯人を追いかけるのが好きだというゲーム感覚のような回答があった。
暴力的な人間に対して、非暴力な人間の対比もおもしろい。劇中で連続殺人犯が使っていたキャップは、まるで"人を痛めつけるために勇気を与える帽子"のような存在。復讐を誓ったギホ、そして決心を固めたチョン・ヨンハへと受け継がれていく。
納得いかないのは、ソンテの最後の行動。物語にとって都合が良すぎるし、あのタイミングで人の物を漁る心理があまりよくわからなかった。ちょっと乱暴な演出だなと。
韓国ドラマは金持ち役の衣装を見てるのが楽しい。ユ・ソンアのラグジュアリーなワードローブがとてもよかった!あのスーツケースのどこにクリーニング必須な服たちが入ってるんだと思いながら、観たけれどエトロのセットアップとか、ドルチェのドレス、ヴァレンティノのギラギラバッグ。カラフルな水着もほしくなる。
カメラワークもユニークなのがよかった。