すみれ

アンメット ある脳外科医の日記のすみれのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

記憶喪失を巡るミステリーなのかなと思いながら見始めた1話。終盤で主人公と最も関係が希薄に見えていた三瓶先生が放った言葉とその様子に深い思いやりや愛しく思う気持ちが透けて見え、なぜ?!と思ったのがこの作品に引き込まれた理由でした。
そして徐々に事実が明らかになり、劇中で描かれていた過去の回想シーンを全て見た時にこの作品は最初から最後まで自分とのことを今は思い出せないでいるミヤビちゃんに対して三瓶先生が思いを伝える続けてる話だったんだなと感じました。2人で過ごした時間にもらった言葉や気持ちに自分の思いを乗せてあらためて伝えているような…。
三瓶先生は直接的な言葉を発したり行動を取ったりしないけれど、視線や相槌に相手を愛おしく思う気持ちが溢れていてその姿に心を動かされました。
ラストはこれまで見てきた全てのシーンから感じたものを総動員してこの先を想像してくださいって言われているように感じられて、それが出来るくらいそれまでの描き方が丁寧で素晴らしかったと思いました。だって、ミヤビちゃんに関わってきた人たちがそれぞれに安堵する様子が思い浮かんだから。その余韻でとても温かな気持ちになれました。
全11話、こんなに丁寧に物語を紡げる連続ドラマを見られて本当に良かった。説明的ではないけれど、見ている人を置いていかない丁寧な展開、演出そして演技が全て合わさってこの作品の魅力になっていると感じました。あいみょんを聴きながらいつまでも余韻に浸っていたいです。
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