ニカイドウ

海のはじまりのニカイドウのレビュー・感想・評価

海のはじまり(2024年製作のドラマ)
5.0
本編12話+8話と9話の間に挟まれた特別編の全13話。少し前に話題になってた『silent』の生方美久脚本のドラマ。そっちは観てない。
夏が大学の頃付き合っていた水季が死んだ。
葬式に出た夏は、そこで海という6歳の女の子に出会う。
海は、夏に内緒で水季が産んでいた夏と水季の子供だった…
全話観てたんやけど、11話の感想と最終回後の感想を書こうと思う。

11話の感想

いる・いないじゃなくて、いた・居なくなった話…
それが夏に出来なかったのは水季の側にいた、いなかったが理由じゃなくて、人それぞれにお別れの時間や深さが違う。
夏はお別れしてしまってるんよな。
亡くなった人が側にいるって考えつつ生きていける人もいれば、極論忘れてしまわないと生きれない人もいる。
これは亡くなった人に関してだけじゃないよなぁ。
今まで出会った人が全て今も繋がってたら…ってたまに思う。…ま、俺のポテンシャルじゃどうやっても無理やけどさ…
中高の時の友達、アイツどうしてるやろう?
20代の時亡くなった友達も、アイツどうしてるやろう?一度しか行ってなくて、実家もお墓の場所もわからん…
人だけじゃなくて、場所も。
思い出があったのに行けなくなった場所。今はもう無くなってしまった場所…
場所も関係も引っくるめて、無くなってしまっても手繰り寄せられる何かが1つでも繋がってたら…って後悔を抱えつつ今を生きてます。
女々しい…笑
夏は、津野さんの言葉で海ちゃんの気持ちに気付いたんやから、行動に移せば良い。
くれぐれも、「俺はこういう気持ちで言っただけで…」みたいな言い訳っぽい事は言うなよ。
自分のした事をちゃんと謝れるかが大事!!
急に出た今田美桜は、次の連ドラの主役?と勘繰ったんやけど、過去作の登場人物やったんやね。
自分の事やけど、うちの子だって毎年4月には不安定になる。クラス替えで環境が変わるから。海ちゃんの状況はそれの超特大版。親にならなわからん事。いや、自分の事を思い出す機能がバカになってるんよな、大人って。

最終回を観終えて

ファンタジーやった。最終回は生活を描かず、不安を描かず、ただただ優しさを描いた。
多分脚本家の方もファンタジーなんはわかってると思う。
評価分かれると思う。
けどね、水季がいたから繋がった。水季がいて良かったと思えるラストは、俺にとっては大団円。
彼らの話はもうない。これ以上描くと破綻するから。けどね、想像は出来る。こうなっていれば良いなぁ。とか、彼と彼女がくっ付けば良いなぁ。とか…
観る側が、思い思いの部分を想像する。
極論、水季が幽霊として現れたり、生き返ったりしても良い。各々で観るファンタジーの余白を残してくれたラスト。
俺はね、津野さんがこれからもずっと海ちゃんと遊んでくれるというファンタジーを望むかな。
津野さんには酷かもやけど…笑
…そうか。水季はお母さんの自殺に釘を刺してたんやなぁ。そこだけでも感動出来るなぁ。
水季をいなかった事にだけはして欲しくない。水季の存在を道具のように使って欲しくないと思いながら毎回観てたけど、ラストまで水季がいたことを描いてくれてありがとう。
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