山田太一原作の小説をクドカンが現代アレンジで演出。
現代から昭和20年へタイムスリップした家族の目を通して、戦争の恐ろしさを描いた反戦ドラマ。
冒頭の現代パートはいつもよクドカンらしさが爆発。本題に入ってからも独特のブラックユーモアがちりばめられているんだけど、題材が題材だけにミスマッチというか、あまり笑えなかったな。
悪い意味で適応して戦時中の物の見方に染まっていく子供たち、一律の価値観の方が生きやすいという皮肉、いつまでも他人事だった主人公に突きつけられる厳しい現実、等々考えさせられる要素は多く、散りばめられた謎と相まって気になって最後まで観た。
ただ、個人的に凄く面白かったとか好みだったとかではなかったかなあ、
意見が割れているらしいラストの二人の人物が出てきた部分に関しては、自分は瀕死状態の主人公の見た幻覚だったと解釈している。前述した通り、ずっと他人事だった主人公に冷水を浴びせるような感じというか。二人は単に戦争を象徴する存在なんじゃないかなと。
ところどころ謎が解明されないまま残されるけど、これもさして深い伏線というわけではなく視聴者を最後まで惹き付けるためのもので、あくまで描きたいテーマは反戦で当事者意識を持ってドラマを観て欲しいということなのかなと個人的には感じた。