骨太な法廷モノ。
目を背けたくなるような収容所の証拠映像は本物なのかな。
ナチスに限らず戦争は人間そのものを変えてしまうのが恐ろしい。
その変わり具合で被告達の態度が異なってくるのはなんとも興味深い。
久々に(？)カッコいいアレック・ボールドウィンを見た気がする。
クリストファー・プラマー他、芸達者な役者達の演技にのめり込んじゃう。
改めて東京裁判も観てみようかな。

前後編のTV映画。アレック・ボールドウィン、ブライアン・コックス、マックス・フォン・シドー共演、シャルロット・ゲンズブールがチョイ役で出てた。

以前観た1961年版は法廷劇メインで名前変えてたけど、こちらも多少の史実との違いはあったが実名で裁判のみならずそれまでのナチス幹部の様子も描かれてて、あんなにゆとりあったの？ってくらいだった。
中でも余裕綽々なゲーリングが不快。

裁判で証拠として提出された収容所の映像が流れるが、あれは実際の証拠映像が挿入されているとのことで、目を背けそうに…さすがにちょっと直視できなかった。
以前観た写真を提供した人を描いた「マウトハウゼンノ写真家」って映画もあったが、彼の写真も出てきていただろうか？

証拠映像もキツかったが、あのユダヤ人の精神科医(？)の心情・心労もかなりのものだと思う。相当抑えてるだろうし。
※あの人今度の「ナチスと精神分析官」の映画化でラミ・マレックが演じる人じゃないかな。

被告のナチ幹部の様子もさまざまで、ゲーリングみたいに最後までふてぶてしい人、精神壊す人(壊れたふり？とも言われてる)、粛々と判決を待つ人、最後までドイツとヒトラーを崇拝してる人、なかなか興味深い。

そして裁判で淡々と語られる残虐行為の数々に戦慄。搾取するか虐殺するかしか頭になかった異様な状態。それが抜けきってないし。

実名だとルドルフ・ヘスが二人いて紛らわしい(被告になったナチ党副総統と、証人として召喚されたアウシュヴィッツ所長=「関心領域」のヘスのほう)。同時登場はないけど。
あと、「パブリック・エネミーズ」でデリンジャーを追いつめたメルヴィン・パーヴィスもFBI退職して検察側にいるはずだが出てこなかった。

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