★ 痛い 泣きたい 張り裂けたい
それでも手を伸ばす 底に届くまで
手厳しく言えば、竜頭蛇尾。
2話までは最高の立上りでした。
大島優子さん演じる主人公は容赦がなく、これを地上波で放送しちゃう覚悟にシビレる憧れるゥッ!なんて思ったのですが、5話あたりから雲行きは怪しくなる一方。そして終盤は土砂降り。前が見えませんでした。
これは…やはりアレですかね。
外部からクレームが来たのか、リスクを恐れたのか。軌道修正をした結果なのでしょうかね。
例えば、登場人物の配置。
レギュラーである田中哲司さんや岡田浩暉さんが活きていません。特に山口紗弥加さんに至っては、レギュラーである必然性がなく、事務所の力とか契約絡みとか大人の事情が透けて見えます。
そして、何よりも重要なのがヤクザの扱い。
3話までは、悔い改めるとは簡単ではない…と先鋭化した主張をし、それに対比する形で北村一輝さん演じる人情味あふれる刑事を配置する…というバランスだったのに、作品が選択していくのは温い主張、温い思想。
特に“家族”の概念が前面に出てからは…。
打ち切りが決まった漫画のようにズルズルと。
毒にも薬にもならぬ凡庸なドラマに成り下がったのです。あー。モッタイナイ。モッタイナイ。
そんな中で、唯一の見どころ。
それは大島優子さんでした。
ウィキペディアによると、アクションではスタントを使っていないそうですし、何よりも“触るもの皆傷つける”ギザギザハートっぷりは最高でした。
思い返せば『SPEC』でも秀逸な存在感。
作品に恵まれたら、かなり化ける女優さんじゃないでしょうか。そのときは純真無垢なキャラクタよりも“心に闇がある系”だと嬉しいですね。
まあ、そんなわけで。
堤監督×植田Pのコンビ…ということで『ケイゾク』や『SPEC』を念頭において臨むと痛い目を見る作品。そういえば、恒例のギャグも微妙でしたし(ムルキンチョは良かった)地上波(しかも木曜日夜9時台)でなければ違ったのかも。あー。モッタイナイ。モッタイナイ。