昭和に生きる四姉妹の悲喜交々。
男はいくつになっても男だし、女もそう。
姉妹とは変な意地とプライドがぶつかっていがみ合うこともある。なのに境界線がなくなる時もある。
姉妹の起こすトラブルは自分のことのように腹立たしかったり恥ずかしかったりするのに、喜ばしいことには嫉妬心とみじめさが渦巻き始める。
それを男側から見て「阿修羅」と例えて触らぬ神に祟りなし状態にして逃げている。憎悪や怒りのトリガーになっている気持ちに寄り添いがあれば菩薩になることもあるのだけれど、昭和の時代の男性はそんなことには蓋をする。出席番号の順番も男子から始まる時代だったもんなぁ。男は黒、女は赤で名字を書く意味はなんなの。なぜ女子だけ浮かび上がらせるの。
しみじみと、令和の時代になってよかったと思う。
前回とのキャスティング比較
大竹しのぶ→宮沢りえ
黒木瞳→尾野真千子
深津絵里→蒼井優
深田恭子→広瀬すず
なるほどなぁと思った。違和感なし。
広瀬すずは演技上手だったなぁ。強気な時と弱気な時がパッとわかる演技で、この末っ子のまっすぐなキャラクターがよくわかった。広瀬すずは末っ子イメージ強いけど、それもそれでひとつの持ち味だなぁと思う。いつかお綱役がやれるところまで歳を重ねた時にピタッと合う女優さんになれそう。
でも全員良かった。どの配役も合っていた。宮沢りえの顔のシワがセクシーだったしちゃんと年齢を重ねてくれて、深みと美しさがあった。エロス!妹たちへの愛もあふれていた。
尾野真千子も一番難しい役だったと思うけど、さすがだなという演技でした。娘を本屋から連れ帰る時、叱らずに穏やかに話しかけつつも自分にも後ろめたいところがある微妙な空気感がよかった。
蒼井優は結婚が決まった時のまとってる雰囲気が「あぁ、幸せなんだな」と見る者全員に思わせる多幸感が出ていて、それまでのドンヨリお滝を一掃してくれた。
あと松田龍平がよかった。穏やかで優しくて真面目で〜!天井トンカンやってる時の滝ちゃんとのやりとりは身悶えました。
宮沢りえが下駄箱の前ですったもんだして銃口向けられるシーンや、蒼井優が病室で妹を守るために罵倒するシーン、四姉妹で白菜つけながら、会話があっちこっち行くシーン、急に始まる姉妹喧嘩、昭和生まれの三姉妹育ちの私にはある意味我が家の一部を見ているような気にさせられるドラマでした。