惜花芷~星が照らす道~の12の情報・感想・評価

エピソード12
第12話
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なっこ

なっこ

#1-12 女子が女子のままで運命に立ち向かうstory 男装の麗人storyに惹かれるのは ジェンダー規範を飛び越えられるヒロインに惹かれるから、だった。 時代背景に左右されず女性には許されなかったことも男装することで体験できる。 けれどここのところ中国ヒロインの男装女子は、恋愛の成就よりも自己実現というか、復讐の完遂に邁進するものが多くて、これが私の好むヒロイン像だったろうかと懐疑的になってきた…確かにガールミーツボーイで終わるようなstoryはもはや時代遅れなのかもしれないが、結局のところ何も成し遂げられなくても愛する誰かと結ばれる結末の方が自分的にも納得感のあるラストな気がしてきてる。個を貫くことは男子としては凛々しいが、女子としてはどうだろう…とモヤモヤしてしまう。 この作品のヒロインは家の没落の憂き目に遭うところから始まり、彼女の才覚によって家を盛り返し、一家が再び栄えていく様を描いている。どこかで似たようなstoryを見たが、1話目で彼女が嵐の海でマストに上り船と己の運命を変える様子を描いたシーンを見てこれは見るべき作品だと直感した。 中国歴史ドラマを見ていると何故か幼い頃見ていた連続アニメのようなワクワク感を思い出す。恐らく長い話数の中で時間をかけて少しずつ成長していく主人公を見て同じように成長途中だった自分自身の成長をも押し広げてくれるように感じて元気をもらっていたのだろう。 結婚をしてその時代の普通の女子として普通に幸せになっていくはずが、家の没落によって一家の運命を背負うことに。彼女はこれまでの優等生型のヒロインとは少し違う。多少頭でっかちではあるが、物事がよく見通せて、弱みも見せる。重過ぎる重圧に耐えかねて逃げ出そうともする。大家族の男たちが全て罪人として捕まり、個性ある年上の女たちを束ねていく苦労、彼女たちと衝突しても和解していく姿をうまく描いている。そういう女たちの連帯を見ていると心が和む。きっと現実はこれほどうまくはいかないが、困難を一つずつ乗り越えていく様は見ていて達成感がある。そして困ったときは必ず助けてくれる頼りになる男がいるところも魅力的。彼女はその手助けを何故か拒まない。人を見る目があるのかないのか。風来坊な彼をしっかり信じ切っているところが可愛く見えるヒロイン。ここからどんなラストに向かうか分からないが、彼女の楽しそうに頑張る姿を見ていると励まされる。大きく見える困難も一つずつ、根気強く、解決に向けて解きほぐしていくほかないのだと。
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