東京で売れない短編小説家として働く鹿野典夫。人生のつまづきを感じていたところに父・洋二郎の突然の死の知らせがー。名古屋の実家の喫茶店「純喫茶つながり」の臨時マスターとして跡を継いだ典夫。しかし、アルバイト店員の亜希菜や常連客の小山田の思いとは裏腹に純喫茶つながりを閉店させる決意をするのだった。そんな中、店にはSNSの炎上に悩む若き天才経営者。ママ友との友情に悩む主婦。認知症を患う女性と家族。個人主義の中学生。それぞれに悩みを抱えた客がやってきてーー。 少しずつ「純喫茶つながり」の存在の大きさ、仲間の大切さに気づいていく典夫。母親からは、かつての夫・洋二郎との馴れ初めを聞き、亡き父親の純喫茶つながりへの深い思いを知ることとなる。 小説家としての夢を追うか、純喫茶つながりを続けるのか、典夫は自分の気持ちに正直に向き合う決意をする。
東京で短編小説家として働く鹿野典夫。父親の死により名古屋の実家の喫茶店「純喫茶つながり」を継ぐことに。ある日、臨時マスターの典夫は、アルバイト店員の亜希菜や常連客の小山田の思いとは裏腹に純喫茶つながりを閉店させると決意する。そんな中、動画配信会社の経営者である成田が店を訪れる。部下によるSNSでの炎上に悩んでいた成田だったが、鉄板ナポリタンの存在と典夫たちと交流を通じて自分の行動を見つめ直していく。そんな中、典夫は、父の思い出が詰まった帳簿を見つけ、閉店してよいか心が揺れるのだった。
典夫と亜希菜、小山田が閉店を知らせるDMを作成する中、亜希菜が顧客リストの棚から謎の手紙を見つける。手紙の差出人や内容が何を意味するのか、謎の女との関係とは…。 そんな中、店を訪れたのが目の前に特盛小倉トーストを見つめるパート主婦の三好真理子。ママ友との関係に悩み、その悩みを断ち切るために一人で小倉トーストを食べきる挑戦をする。子どもたち同士も仲が良い中、絶交するか友情をとるか、葛藤する。典夫や亜希菜、小山田も真理子の悩みに耳を傾け、答えを模索していく。
亡き父に宛てられた差出人不明の手紙。そこに書かれていたのは、かつて店を閉店しようとしていた父への問いかけの手紙だった。今の自分と重なる内容に驚く典夫。一方、亜希菜の前に、幼馴染の京佳が現れる。過去のすれ違いから再会に戸惑う亜希菜は、思わず冷たくしてしまう。 帰り道に、一人の婦人・吉井と出会った亜希菜。認知症を患う吉井をかつての思い出の地・純喫茶つながりへと連れてくる。忘れていた家族との思い出が、少しずつよみがえる吉井。その姿を見た典夫は、ある重大な決断をくだすのだった。
純喫茶つながりを続けることにした典夫。喜ぶ亜希菜だったが、小山田は意外な行動に出る。亜希菜の幼馴染の京佳が店に現れ、長年のわだかまりをぶつけ合う。そこに忘れ物の本を探しに来た中学生・隼人が2人のやりとりを聞き「やっぱり人と関わるとロクなことがない」とつぶやく。 隼人は、典夫に「小説家になれば誰とも関わらずに生きられるか」と問いかける。個人主義の彼が本を探していたのにはある理由が。それぞれの会話で人と関わることの意味が少しずつ変化していく。そこに、純喫茶つながりを探す新たな女性が。
純喫茶つながりを続けると決意した典夫。しかし、編集者の真山は、典夫を説得しようと小説の単行本の話が決まったと店にやってくる。途絶えかけた小説家の夢…だが、典夫はもう小説家をやめたと断る。真山が小説家を続けてほしいのには、ある理由があった。典夫にその真実を告げる。一方、母・十和子から亡き父のなれそめの話を聞いた典夫は、純喫茶つながりの存在の大きさを知ることになった。ついに最終話、純喫茶つながりの未来は?小説家かマスターか…典夫の決断は。